磯根漁業への着業に向けて
相馬双葉漁業協同組合
請戸支所青壮年部 鎌田 寛典
1.地域と漁業の概要
相馬双葉漁協請戸支所のある浪江町請戸地区、小高町浦尻地区は、福島県沿岸部の中央、県の最東端に位置しています。請戸支所の正組合員は177名、准組合員63名で、固定式さし網、機船船びき網を中心とした操業になっており、平成16年(1〜11月)の水揚げ量は約1,720トン、水揚げ金額は約5億6千万円でした。
2.活動グループの組織と運営
請戸支所青壮年部の部員は部長以下26名です。
漁青連への参加、研修のほか、浪江町のイベント「東遊記」への参加(地びき網)、コンブ養殖などの活動を行なっています。また、請戸の伝統的な祭礼である「安波様祭り」では、大漁祈願のため、みこしを担いで冬の海に入っていくという神事にも参加しています。
3.活動課題選定の動機
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請戸ではここ数年さし網の水揚げが減少していて、船びき網も安定した水揚げは期待できません。請戸地先、特に港の北側には未利用の磯根資源があるとされていて、昭和50年代にも築磯の設置など、利用に向けた取り組みがありました。しかし当時は必要性が低かったことなどから、立ち消えとなっていました。
そこで漁家経営向上のため平成10年度から12年度まで、福島県漁業後継者研究活動支援事業の中で、磯根資源の利用に向けた取り組みを行ないました。まず請戸港の北側海域にて藻場の状況を調査したところ、良好な状態とはいえず、採捕されたウニも身入りが悪い状態でした。そこで磯根資源増大に向け、アラメの採苗技術の習得、採苗板による造成を行ない、その結果、一部でアラメが70cm程度に生長したことなどが確認され、一定の成果をあげました。
しかしながら、造成区域全体でみると、採苗板設置後の状況は不明な部分が多く、磯根資源もどの程度の規模なのか不明で、追加の調査が必要でした。また、潜水については業者に委託したため、青壮年部単独で調査が出来る体制づくりが求められていました。 |
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請戸ではここ数年さし網の水揚げが減少していて、船びき網も安定した水揚げは期待できません。請戸地先、特に港の北側には未利用の磯根資源があるとされていて、昭和50年代にも築磯の設置など、利用に向けた取り組みがありました。しかし当時は必要性が低かったことなどから、立ち消えとなっていました。
そこで漁家経営向上のため平成10年度から12年度まで、福島県漁業後継者研究活動支援事業の中で、磯根資源の利用に向けた取り組みを行ないました。まず請戸港の北側海域にて藻場の状況を調査したところ、良好な状態とはいえず、採捕されたウニも身入りが悪い状態でした。そこで磯根資源増大に向け、アラメの採苗技術の習得、採苗板による造成を行ない、その結果、一部でアラメが70cm程度に生長したことなどが確認され、一定の成果をあげました。
しかしながら、造成区域全体でみると、採苗板設置後の状況は不明な部分が多く、磯根資源もどの程度の規模なのか不明で、追加の調査が必要でした。また、潜水については業者に委託したため、青壮年部単独で調査が出来る体制づくりが求められていました。
4.実践活動の状況及び効果
これを受けて、平成14年度からは中核的漁業者協業体育成事業の中で、港の北側における以前造成した区域の追跡調査、アラメ消滅区域での新規造成、磯根資源調査を行ないました。また、青壮年部でも潜水出来るよう、一部部員が潜水士資格を取得し、潜水調査に参加することが出来るようになりました。
しかし、現場海域は年間を通じ濁りが出やすく、既存の造成区域を探すのも一苦労で、一部設置したものが壊れていたのは確認しましたが、設置後のアラメの生長は確認できませんでした。また、アラメ造成の作業自体に一定の時間がかかり、作業をしている間に風が吹いて濁りが出て、作業が中断されるようなこともあって、効果が上がるほど設置するにはかなりの作業量が必要なことが考えられました。加えて、現場海域は泥岩質であり設置したアラメがはがれやすいこと、潮の流れが速いので、業者の方はとにかく、青壮年部員は泳いでいるだけで精一杯といったこともあり、港北側海域での調査、藻場造成による磯根資源の増大は困難と判断しました。
こうした問題を踏まえ県水産試験場とも協議して、請戸港内に新規に調査海域を設定しました。港内であれば潮もそれほど速くはなく、青壮年部単独での調査が可能です。また、ウニは藻場を食い荒らしてしまう傾向があるのに比べ、アワビはそういったことが少ないことから、藻場造成の代わりにウニの駆除をすることで磯根資源を有効に利用しようと考えました。そして磯根資源の需要を知りたいという意味もあって販売試験を実施しました。その結果、アワビ13kg、ウニ34kgを採捕し、アワビ全量とウニの一部は請戸支所の直販イベントである「請戸夕市」にて直販し、ウニの残りは業者に販売しました。
また港内にアワビ稚貝の放流試験を実施しました。これは採捕するまでの成長量をみることで漁場の生産力を把握しようというもので、採捕調査は来年度以降行なう予定です。
5.波及効果
これまで潜水調査は業者に委託していましたが、青壮年部単独で調査が可能になったことで、業者との日程調整などの必要がなくなり、より機動的に動けるようになりました。
また「請戸夕市」での販売は好評で、物珍しさもあってか、出店した中でもかなりお客さんを集めていたように思います。8月だったこともあり、ウニの卵はほんの少し流れていましたが、予想以上に詰まっていて好評でした。新しい請戸の目玉を見せることが出来たことで、少しですが魚食普及につながったのではと思います。
6.今後の課題
今後は単価が見込め、磯焼けにつながりにくいアワビについて、資源増大を考えていこうと思います。アワビは丸々とした手のひらサイズが理想なのですが、今回の調査では値段が下がってしまう大型のものが多く、やせていました。一方ウニは予想以上に多く、今後採捕し数を減らすことで、藻場の回復、アワビ資源の増大につなげていければと思います。
今のところ、販売試験のための採捕は請戸港内のみでの実施です。狭いのでたくさん捕ってしまうとたちまち干上がってしまいますが、まずここでアワビ資源管理について成果を挙げたいと思います。一定の成果が得られ潜水技術が上がったら、港の北側など他の海域での活動にもつなげていきたいと思います。