相馬支場ニュース − No15 平成214月 発信 −

 

コウナゴ漁始まる

 今年のコウナゴ漁は315日から始まりました。昨年はコウナゴが大漁でしたが、今年は3月の時点では不漁です。相馬原釜支所での3月の漁獲量は40トンと、昨年の10分の1以下にとどまりました。3月の漁獲量が50トンを下回ったのは、平成10年以来11年振りのことです。

漁場は、3月中旬は原釜〜磯部周辺だったようですが、コウナゴが少ないため、下旬には宮城県境や南相馬市の鹿島〜原町沖で操業する船も出てきました。漁獲物の大きさは、3月中旬は2cm台後半、下旬は3cm台前半が中心でした。

  

さし網ではマガレイ好漁

さし網ではマガレイ(アカジガレイ)が好漁で、多い船では1日に400kg以上水揚げすることがありました。12月〜2月にかけて全長16cm未満の水揚規制とさし網の目合規制(3.4寸(10.2cm))より大きい目合いを使用)を自主的に行っていたため、価格が著しく低い小型のマガレイはほとんどみられませんでした。2月〜3月には卵巣の発達したマガレイが目立つようになり、これらは高値で取引されるため、オスや産卵の終わったメスとは区別して売られていました。

マコガレイの水揚げも多く、1月では卵巣の発達したメスが目立ちましたが、その後は産卵後のお腹がへこんだ個体が多くなりました。

その他、マダラやアブラツノザメなどが多く水揚げされました。

たこ籠ではミズダコが例年より多く水揚げされていました。

 

 

 

 

 

底びき網ではズワイガニが好漁、茨城操業船が増加

 平成20年漁期(平成2012月〜213月)のズワイガニの水揚量は213トンでした。水揚量が200トンを超えたのは平成9年漁期以来11年振りのことです。そのほか、イカ類(ヤリイカ、ジンドウイカ)、アカガレイが非常に多く水揚げされました。マダラは昨年よりもずっと少ないですが、2月から水揚げが伸びました。

茨城県海域を操業する船ではズワイガニ、マアナゴなどを多く水揚げしましたが、ムシガレイ(通称水ガレイ)やマツカワも目立っていました。マツカワはほとんどが黄色いオスで、メス(白くて大きい)はわずかにみられるだけでした。ほとんどが放流魚と考えられますが、中にはヒラメ放流魚のような体色異常が全くみられない個体もいました。ニベやホウボウがたくさん水揚げされたこともありました。

 

 

 

 

 

 

そのほか、小型のキアンコウ、オオクチイシナギ、サメガレイ、スズキ、マダラ、マトウダイ、ケムシカジカが目立ちました。このような小型魚が今後成長して資源となることが期待できます。

 

 

 

 

節が入ったヤリイカ

 底びき網でヤリイカが多く水揚げされましたが、1月中旬に、ある底びき網船の船頭さんから「ヤリイカに節が入ったものが結構混じっている。こんなことは初めてだ。」と情報をいただきました。確かに体に筋状の節が入った個体がポツポツとみられました。同様の現象は福島県南部や茨城県海域でもみられているようですが、詳細はわかりませんでした。このような個体は3月には見られなくなりました。

 

 

珍しい魚

今回は底びき網で漁獲されたアカアマダイ(227日)、エゾメバル(227日)、殻長710cmの小さなホタテガイ(36日)、全長48cmの大きなキンメダイ(327日)、さし網の活魚売り場で捨てられていたヌタウナギ(24日)、松川浦で採集された標識ニシン(212日)です。

アカアマダイはこれまでも何度か登場しており、西日本では高級魚です。種苗放流が行われている地域もありますが、福島県ではなじみの薄い魚です。

エゾメバルは北方系の魚で、支場ニュースNo8にも登場しました。

ホタテガイは近年、殻長15cm前後の個体が少量ながら水揚げされていましたが、今回のホタテガイは一回り小さく、資源の発生が続いたようです。

キンメダイは茨城県海域で操業する底びき網船が全長30cm前後のものを多く水揚げすることはありますが、大型の個体は珍しく、写真の個体はキロ1,500円以上の価格で取引されました。

ヌタウナギは相馬原釜では売り物になりませんが、韓国ではアナゴより重宝されるそうです。

松川浦で採捕されたニシンは独立行政法人水産総合研究センター宮古栽培漁業センターが平成202月に岩手県宮古湾において平均全長29cm300尾放流したうちの1尾でした。宮古栽培漁業センターによると、ちょうど今はニシンの産卵期にあたり、放流したニシンは夏場に北上して北海道(噴火湾)で餌を食べ(索餌回遊といいます)、産卵期に南下してアマモ場などで産卵するそうです(産卵回遊といいます)。かつて昭和40年代に松川浦でニシンを放流したことがありますが、最近はニシンの採捕記録はありませんでした。松川浦ではアマモ場が点在していますので、もしかすると松川浦はニシンの産卵場になり得るのかもしれません。

 

  

  

「カニまつり」

21日(日)に「道の駅そうま」で毎年恒例の「カニまつり」が開催されました(相馬市主催)。水産試験場相馬支場では、カニにちなんだパネルや生物展示等を行いました。

 

 

(注)記事は平成2113月の出来事について作成しています。水揚量等のデータは漁協統計によるものです。