福島県いわき地区における近年のアワビ資源の動向と
アワビ人工種苗放流効果

藤田恒雄

1.福島県でのアワビ漁獲量は、1970年以降減少傾向を示し、1992年には最低の21tまで低下した後、回復傾向を示し、40t前後となっている。

2.1992年以降水揚げアワビは大型化を示しているが、これは、天然貝(再生産貝)の増加によるもので、資源量は増大している。

3.アワビ資源量や漁獲量の変動要因については、様々な角度から論ぜられているが、近年の資源量回復要因については、冬季の水温による影響以外の報告はない。福島県にこの説を当てはめた場合、必ずしも資源の回復と水温との関係は明確ではなかった。いずれにしても、1つだけの要因に目を囚われるべきではなく、多角的な検討を行うべきである。

4.アワビ天然貝の増加による資源量増大に伴い、人工種苗貝の混獲率が低下傾向を示している

5.資源の豊凶によらず、1日・1人あたりのアワビ漁獲個数を固定しているため、人工種苗貝の混獲率低下は人工種苗貝の回収率、経済効果指数の低下を招いている。

6.アワビ資源量に見合った1日・1人あたりのアワビ漁獲個数を柔軟に設定していくことが栽培資源の有効利用に繋がり、さらに操業の効率化を図るべきである。

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