福島県海域におけるヤナギムシガレイの食性 五十嵐敏・島村信也
1998年2月から1999年6月の間、市場に水揚されたヤナギムシガレイの胃内容物調査を行い下記の知見を得た。
・ヤナギムシガレイの摂餌量には季節変化が認められた。
・摂餌量の変化の要因として産卵期との関係が考えられ、生殖巣増大期に摂餌量が減少し、放卵・放精後に摂餌量が増加するものと思われた。
・ヤナギムシガレイの餌料生物は、多毛類次いで甲殻類であり、この2動物群で殆どを占めた。
・ヤナギムシガレイは成長に伴い、甲殻類食性から多毛類食性への移行がみられた。移行サイズは体長12〜15pの間にあり、飼料生物のサイズ等の要因により小型魚と大型魚での「食べ分け」があるものと思われた。
・2才以上のヤナギムシガレイの主生息域における主餌料は、周年を通じナナテイソメ科の多毛類であり、1〜5月にはスピオ科の多毛類が加わっていた。
・ヤナギムシガレイの食性移行サイズや主餌料は、必ずしも過去の調査結果と一致せず、生息密度や各餌料の密度、種間関係等により、食性が変化する可能性が示唆された。