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選挙のルール三ない運動「三ない運動」という言葉をご存じでしょうか。 「三ない運動」とは、「贈らない・求めない・受け取らない」ということです。つまり、「三ない運動」とは、寄附に関係のあるような行為をしないようにしようという運動なのです。 公職選挙法は、現に公職にある者、候補者及び候補者になろうとする者は、その選挙区内にある者に対して、いかなる名義であっても寄附をしてはならないと定めています。 また、公職にある者や候補者などに対して寄附の勧誘や要求をすることも禁止されています。 政治がらみの寄附の背景には、贈答文化といわれるとおり、冠婚葬祭などにおける贈答が日常一般化していることが要因として考えられ、候補者等の側で寄附をしないよう徹底すべきことはもちろんですが、それだけでなく、国民の寄附に関する従来の意識そのものが変わることが何よりも必要なのです。 「贈らない・求めない・受け取らない」を常日頃から心がけるようにしてください。 スタートは用意ドンで 陸上競技などで「用意ドン」の合図の前に飛び出す反則を 「フライング」と呼び、これを繰り返すとその選手は失格になります。選挙においてこのフライングにあたるのが事前運動 と呼ばれるものです。 選挙運動とは、特定の選挙において、特定の候補者の当選を目標として、選挙人に働きかける行為であるとされています。 そして公職選挙法は、公正な選挙を期するために、選挙運動をしてもよい期間を設け、選挙の公示(告示)があって、立候補の届出をしてから投票の前日までの期間以外は選挙運動をしてはならないと定めています。 従って、それ以前の選挙運動は名目のいかんを問わず、すべて事前運動として禁止されるわけです。 ところが、実際には、この「事前運動という反則」はスポーツの場合のフライングのように簡単に判定できるものではありません。 例えば、現に公職に就いている人は、報告会という形で自分の活動の状況を明らかにする義務があるともいえますし、また、何人も憲法によって政治活動の自由を保障されています。 さらに、立候補のための「瀬踏行為」(立候補の意思を確定する資料として選挙人の意向を探る行為)や「準備行為」(立候補者及びその支持グループ内での行為又は選挙運動着手前の手続き的な行為)は禁止されていません。こうした行為と事前運動の区別は甚だあいまいなのです。 私たち有権者は、いろいろな名目のもとに行われる事前運動に振り回されないようにしなければなりません。選挙では、一回のフライングも許してはならないのです。 事前運動は困りますが… 「事前運動が禁止されていることはわかった。では、選挙運動期間外には何もできないのか。」という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。 結論から先に申しますと、選挙運動期間外には、選挙運動をすることはできませんが、選挙運動にわたらない政治活動をすることはできます。 従って、現に公職にある者が報告会を開いたり、将来の選挙に立候補を予定している者が後援会をつくったりすることは、選挙運動期間外であってもできるわけです。 このように、公職選挙法は、政治活動と選挙運動とを一応区別し、政治活動は原則としていつでもできるけれども、選挙運動は一定期間だけしかできないと定めています。 では、選挙運動と政治活動とはどのように違うのでしょうか。一般的には、「特定の選挙において特定の候補者の当選を目的とする」ものが選挙運動で、それ以外のものが政治活動であるとされています。 しかし、実際にはこの両者の区別は容易ではなく、政治活動に名を借りた事前運動が行われることも少なくないので、注意しなければなりません。 なお、選挙運動にわたらない政治活動は本来自由ですが、選挙が行われている期間内は、選挙運動とまぎらわしくなるため、町村長と市町村議会議員の選挙以外の公職の選挙においては、特に認められた団体(確認団体)以外は活動が制限されますので注意する必要があります。 ちょっと待ってください 自分の親しい友人や自分が世話になった人が、何かの選挙に立候補しているとき、できるだけのことをしてあげたいと思うのは人情というものです。 でもちょっと待ってください。 選挙運動は誰にでもできるものではありません。選挙の公正あるいは職務の公正を保つために、公職選挙法は一定の人について選挙運動を制限しているのです。 まず、次のような人は選挙運動を禁止されています。
また、次のような人はその地位を利用して選挙運動をすることが禁止されています。
なお、国又は地方公共団体の一般職の公務員と国公立学校の教育公務員については、他の法律により、選挙運動を含む政治的行為をすることが禁止されています。選挙運動の主体に関する制限は往々にして忘れがちです。くれぐれも注意してください。 ごめんください 「ごめんください」 こんなあいさつをしながらいろんな客が訪ねてきます。人が訪ねてくるのはおおむねうれしいものですが、中には迷惑な客もいます。選挙の時に投票依頼のために訪ねてくる人は、たとえどんなに親しい人であってもやはり迷惑な客といわなければなりません。 戸別訪問というのは、文字通り一軒一軒訪ねて歩くということですが、公職選挙法は、選挙の投票依頼のために戸別訪問することを禁止しています。 戸別訪問は、買収の機会として利用されやすく、また、強迫まがいの投票依頼が行われたりするので、禁止されているわけです。 戸別訪問を禁止する公職選挙法の規定はかなり厳格に運用されています。例えば、住居に限らず、工場や会社などを訪問することも戸別訪問になるとされていますし、家の中に入らず選挙人宅付近の道路上に呼び出して投票依頼をすることも戸別訪問になると解されています。 また、相手が在宅していようといまいと、依頼の目的を達していようといまいと、戸別訪問罪が成立することに変わりはありません。 なお、演説会を告知して歩いたり、候補者の氏名や政党・後援団体の名称を言い歩いたりすることは、投票を依頼する目的の有無にかかわらず、戸別訪問と見なされることになっています。 タダ酒はわざわいのもと 選挙がはじまると酒に不自由しないということを聞いたことがあります。まず、選挙事務所開きでご馳走になり、選挙期間中は選挙事務所をはしごしてお茶がわりに酒を飲み、当選の暁には祝賀会で飲めるというわけです。 公職選挙法では、選挙運動に関して飲食物を提供することは、それがいかなる名目であっても、かたく禁止されています。ただ、選挙事務所を訪れる人に湯茶とかお茶うけ程度のお菓子を提供することや、選挙運動に従事する者及び選挙運動のために使用する労務者に一定期間、一定の限度内で弁当を支給することは例外的に許されています。 従って、選挙事務所で酒肴をふるまうなどということはとんでもないことで、すべて法に違反することになります。とかく口いやしきはなんとやら…私たちは選挙に関してはタダ食い、タダ飲みは絶対しないという毅然たる態度を示しましょう。 また、この飲食物の提供の禁止については、ともすれば、候補者側から選挙人への提供だけを考えがちですが、逆に、選挙人が候補者や選挙運動員に提供する場合も含まれていることに注意してください。「陣中見舞」などと称して選挙事務所に酒などを贈ることはまさにこの禁止に違反することになります。 「食い物の恨み」といいますが、その逆に「食い物の恩義」がややもすると選挙の公正を害しやすく、また、選挙に無用の金を消費しがちなための禁止規定といえます。 毎度おさわがせします 「○○が立候補のあいさつに参りました」 「△△党公認の○○に皆さんの一票を」 「○○が最後のお願いに参りました」 投票日が近づいてきますと、こんな声があちこち から聞こえてくるようになります。これがいわゆる 連呼行為と呼ばれるもので、数ある選挙運動の うちで最も広く知られているものの一つです。 公職選挙法では、連呼行為は原則として禁止されています。ただ、一定の場合に限って例外的に認められているにすぎません。それは、演説会場や街頭演説の場所でする場合と選挙運動用自動車(船舶)の上でする場合です。 このように、一定の場合には連呼行為をしてもよいことになっているのですが、それでも無制限に許されるわけではありません。 まず、午後8時から午前8時までの間は絶対に連呼行為をしてはならないことになっています。(個人演説会の会場においてする場合は除かれています。) また、公共の建物、公共の交通機関とその敷地、病院等の療養施設においては連呼行為はできません。 さらに、病院や学校の周辺では特に静穏を保持するよう努めなければならないとされています。 「選挙カーの連呼の音がうるさいのですが、何とかなりませんか。」という苦情をしばしば耳にしますが、法の許す範囲内でやっている以上、文句を言える筋合いではないのですけれど…やはり、候補者や政党の良識に期待するしかなさそうです。 貼って配って選挙運動 「文書図画」 公職選挙法ではこれを「ブンショトガ」と呼んでいます。何となくいかめしい感じがしますが何のことはない、ビラやポスターのことです。 文書図画は視覚に訴えるものですから、選挙運動の方法としては、言論によるものよりはるかに効果的といえます。 しかし、それだけにまた過熱しやすく、多額の費用がかかることになります。ですから、公職選挙法は、文書図画による選挙運動を非常に厳しく制限しているのです。 文書図画による選挙運動には、大まかに分けて頒布と掲示とがあります。選挙運動のために頒布できる文書図画はハガキとビラだけです。 ハガキはすべての選挙で用いることができますが、郵便局による「選挙用」の表示があることが必要で、枚数も選挙の種類ごとに定められています。 ビラは国会議員の選挙でしか用いることができず、枚数や頒布方法については法令で詳しく決められています。 選挙運動のために掲示できる文書図画には、いわゆる選挙運動用ポスターの外に、選挙事務所、選挙運動用自動車及び個人演説会場で使用するものがあります。 これらの文書図画についても、その規格、枚数、掲示方法等につき、法令に細かい定めがあります。 なお、文書図画による選挙運動の特殊なものとして、新聞広告と、国会議員、都道府県知事選挙等の際の選挙公報とがあります。 誰にでもできること 公職選挙法では、文書図画による選挙運動及び言論による選挙運動に対する制限のほか、その他の選挙運動についても厳しく制限しています。 署名運動の禁止、人気投票の公表の禁止、挨拶を目的とする有料広告の禁止…etc。 「これでは、一般の人は選挙運動なんてできないじゃないか」という印象を持った方がいると思いますが、選挙運動期間中であれば、選挙運動を制限されていない人は、次のような選挙運動を自由に行うことができます。
戦いすんで日が暮れて 選挙が終わると、当選した人と落選した人の悲喜こもごもの光景が見られます。しかし、対照的なこの両者にしても、自分を支持してくれた人には一言なりともお礼を言いたいという気持ちは同じなのではないでしょうか。 しかし、そうした気持ちは気持ちとしても、選挙が終わってからの挨拶行為を認めることには、やはり問題があると言わなければなりません。 たくさんの人にお礼をするには多くの費用がかかりますし、事後買収のおそれもあります。 ですから、公職選挙法は、選挙期日後の挨拶行為を制限しています。 すなわち、選挙期日後においても、当選又は落選に関して選挙人に挨拶をする目的をもって、戸別訪問をしたり、文書、新聞、雑誌、放送を利用したり、 集会を開いたり、パレードをしたりすることはできません。 ただし、自筆で書いた礼状を出すことと、自筆ではなくても祝辞や見舞いの答礼のための礼状を出すことだけは許されています。 なお、無投票当選の場合であっても、選挙期日後の挨拶行為が制限されることは言うまでもありません。 また、公職の候補者等は、当該選挙区内にある者に対し、答礼のための自筆によるものを除き、年賀状、暑中見舞い等の挨拶状を出すことも禁止されています。 選挙が終わってしまいますと、緊張感が無くなって公職選挙法のことなど忘れてしまいがちですが、選挙は、始めから終わりまで、そしてまた次の選挙が始まるまで、途切れることなく法律によって制限されているのです。 「秘書がやった」は通用しません 選挙がすんで、いざ、当選人が確定してからでも身内や秘書等の当選人と一定の関係にある人が買収等に関わった場合は、たとえ当選人本人が買収等の行為に関わっていなくてもその当選が無効になったり、5年間立候補制限を科せられるという場合があります。これを連座制といいます。 対象者は次のとおりです。 1 総括主宰者 2 出納責任者 3 地域主宰者 4 親族 5 秘書(候補者等と意思を通じて選挙運動した者) 6 組織的選挙運動管理者等 (候補者等と意思を通じて選挙運動した者) 平成6年の法改正で5・6が付け加えられました。候補者や、立候補予定者に対し、選挙をきれいにしていただくことと、 重い責任を負わせることで有権者の政治に対する信頼の確立を目的としています。 組織的選挙運動管理者等という難しい言葉が出てきましたが、 組織とは、政党の支部、青年部、婦人部や候補者の後援会等はもちろん、会社、労働組合、宗教団体、同窓会、町内会、PTA、 なども特定の候補者を当選させる目的を持って役割を分担し、協力しあって選挙運動を行う場合は「組織」にあたります。 その組織の中で選挙運動の計画や立案、 従事者の指揮や監督その他の管理を行う人のことです。組織の中心の方で選挙運動に携わる方は注意が必要です。 |
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