福島県林業研究センターだより 第2号
あさかの森から
白トリュフを発見
平成12年10月13日、郡山市内の山林で世界3大珍味と言われるトリュフを発見した。トリュフはフランス産の黒トリュフ、イタリア産の白トリュフが有名であるが、いずれも高価でなかなか口に入らないものである。発見のきっかけとなったのは8月に行われた日本応用きのこ学会で、日本にもトリュフがあるという講演を聴いたからである。10年前に同じ場所でトリュフ様のきのこを見つけたことがあり、その時は日本でトリュフが見つかるとは思ってもいなかったので別のきのこかなと思っていたが、講演を聴いてから気になって同じ場所に行ってみたらまた見つかったという次第である。最初は半信半疑であったが、切り口の大理石模様がトリュフに酷似していたため、当所の研究員が胞子を調べたところトリュフの胞子らしいということがわかった。そこで講演者であった京都菌類研究所の所長に鑑定を依頼したところ白トリュフのお墨付きをいただいた。40個ほど見つかり幾つか食べてみたが、香りは未熟のせいか余りなかったものの味はなかなかなものであった。その後、他の場所でトリュフを見つけたという話も幾つかあり、トリュフに関心を示す機会となれば幸いである。
(青野 茂)
【 各 部 か ら 】
「針葉樹根株腐朽病(カラマツ根株心腐病)の発生機構の解明と被害回避法の開発」
被害実態調査の結果、被害の多い箇所は、山腹下部の平坦地や凹地の土壌の含水率が高いところである。腐朽菌として、カイメンタケ、ハナビラタケ、レンゲタケが検出された。
腐朽菌の侵入は、樹幹地際部の、雪の葡行圧よる石礫外傷や幹割れ、根の付け根部に生ずる裂け目や土中の石礫との摩擦傷、根どうしによる接触傷等によるものが観察された。その他に、間伐時の残存木に与える外傷も原因と見られる。
腐朽の進行は、傷の発生から15〜20年で腐朽の高さ約40〜80cmであるが、年数の経過とともに進行し、他県の例では、樹齢60年生で腐朽の高さ8mにも達している。
この被害は、外傷部が巻き込まれれば外見上発見が困難であり、経済的には根元部の一番玉部分の被害であり、その影響は大きい。早期に発見し、腐朽が小さいうちに間伐することが望まれる。最近、超音波や応力波を利用して、伐採せずに腐朽を調査する機器も開発されている。
(森林環境部)
木材担当研究員となって
4月に着任してから早いもので、9ヶ月が過ぎようとしています。
新緑に覆われていたセンター構内の木々も色を変え、現在は葉を落とし、先日は初雪も舞いました。
当部は部長以下9名で、特用林産担当と木材担当が4名ずつ配置されており、私は木材関係を担当することとなりました。木材関係の主な課題は、県産材の材質特性把握、県産針葉樹材の高付加価値化技術の開発、広葉樹中小径木の加工技術の開発で、県産木材の品質を把握し、より有効な利用方法を探り需要拡大に資するというものであり、各々が試験研究に取り組んでいます。
本年度から本格的に運用を開始した木材試験棟及び木材加工棟の機器類については、一般開放や依頼試験等のいわゆるオープンラボラトリーを行っており、人工乾燥等の依頼試験・機器の使用については地元郡山市の企業・団体を中心に依頼が寄せられ、年度当初の計画を上回る件数となっています。また、視察研修等で県内外から多くの方が訪れております。
関係団体等を通じて周知されているとは思いますが、各農林事務所の特に林産担当普及員の皆様には、木材業者等を訪れた際に、もう一度当センターの試験機器等についてお話しいただき、この施設がより一層活用されるよう、広く県民の皆様に普及方お願いいたします。
21世紀を迎え、県内の農林家の皆様が営々と育ててこられた木材を、少しでも有効に活用できるよう関係者と一体となり取り組んでいきたいと思います。
(林産資源部 菊池)
【 で き ご と 】
木工ロープワーク研修
森林づくりフェスティバルに先立ち8月30・31日の2日間にわたり「木工・ロープワーク研修会」を実施しました。木工部門の内容は木工教室の運営の方法と子供に対する指導方法、ロープワーク部門は基本的な4種類の結び方と実際にアスレチック施設を作る実習。ふくしま森の案内人の会のメンバーや農林事務所のAGさんを中心に26名の参加者がありましたが、実際に現場で指導に当たる機会が多いためか具体的な質問等が多く、盛況に終わりました。
やっぱり荒れたか「森林づくりフェスティバル」
9月16、17日の2日間にわたり、雷・強風・豪雨、全てそろった最高(?)の野外ステージで森林づくりフェスティバルが開催された。全国育樹祭の唯一の一般会場であったこともあり約4000人が訪れ、木工教室や森林教室、林産物から海産物までのマーケット等をとおして、森林との共生の思想や森林づくりの意義について考えた。
カシノナガキクイムシによる枯損本県でも!
これまで、主に日本海側の各地で、ナラ類が集団的に枯損する被害が発生していたが、本県でも、今夏、新潟県境の西会津町において、初めてその被害を確認した。既往の研究から、この被害には、カシノナガキクイムシが運ぶ病原菌(仮称ナラ菌)が関与している可能性が高く、西会津の被害木にもカシノナガキクイムシの穿入が多く認められている。今後、被害を拡大させないためには、松くい虫と同様の被害木伐倒駆除に加え、被害材を移動しないことが必要です。
林さんの研修日記
海外技術研修員 林 親雄
私は今年 5月13日に中国の武漢から日本にはじめて来ました。最初は千葉市のOVTAで日本語を1か月半勉強しました。7月から、福島県林業研究センターできのこの育種と栽培の研修をはじめました。
林業研究センターの自然環境はとてもきれいで、建物のまわりには芝生や緑化木があります。ここの実験設備は、かなり整備されており、いろいろなきのこ栽培の機械をはじめて見ました。インターネットでは、資料をさがしやすいです。科学研究の条件がいいと思っています。私は日本の先生に指導してもらって、実験するとき操作がちょっと難しいですが、先生は根気よく、くわしく教えてくださいます。研修の生活は充実していて楽しいです。ときどき皆様と一緒に飲んだり話したりしました。また、中学生と交流したり、日本の文化を体験したり、研修旅行したりしました。私は、この研修を通じて、きれいな自然環境、先進的な科学技術、豊かな生活、礼儀正しい日本人という印象が心に強く残りました。国に帰ってから、ここでの研修は、私の仕事に大きく役立って、いい思い出にきっとなると思います。(林さんは2月末までの予定で当センターで研修します。)
平成12年度林業研修センター研究発表会のご案内
平成12年度の研究発表会を、下記により開催いたしますので、多くの皆様の出席をお待ちいたします。
1 日 時 平成13年2月27日(火) 10:00〜15:30
2 会 場 福島県林業研究センター研修本館
3 発表内容(予定)
○森林環境部の試験成果から
○林産資源部の試験成果から
○関東森林管理局森林技術センターの成果から
○特別講演
演題「ギンナンの栽培・加工技術について」
講師 新潟県果樹振興協議会 佐藤康成先生
福島県林業研究センターだより
あさかの森から a@2
発 行 平成13年1月
編 集 福島県林業研究センター
〒963-0112
郡山市安積町成田字西島坂1
(024)945-2160 FAX(024)945-2147
E-mail fukushima@ba.wakwak.com
URL http://www.ba.wakwak.com/~fukushima
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