
当管内は2市1村からなり、中通りの北部に位置し、北は県都福島市、南は郡山市、西は奥羽山脈、東は阿武隈高地に囲まれ、中央には阿武隈川が北流しています。
地形は中央から南西部に広がる平坦地と西部の奥羽山脈の南端安達太良連峰、東部の阿武隈高地の山間部に大別されます。土壌が肥沃で水利に富む平坦地は水稲を中心に、また、西部の山麓は畜産を中心とした経営が行われています。東部は地形が複雑で水利に乏しく、生産条件が不利な中山間地域で、農業生産が減少し農地の遊休化が進んでいます。
販売農家数(2005年農林業センサス)は、6,245戸で、65歳未満の農業専従者がいる主業農家は11.4%、準主業農家は10.9%であり、2000年センサス時に比べ販売農家戸数は948戸減少し、その主たる従事者の高齢化が進んでいます。このような中で、地域の担い手として期待される認定農業者数は、平成22年1月末現在で680名となりました。また、新規就農は平成14年以降27名、認定就農者は27名認定されています。
集落営農組織として、特定農業団体等組織が9組織、農用地利用改善組合が3組織育成されています。
また、男女共同参画社会の実現に向けて、女性起業活動が活発化しています。また、女性の経営参画への意欲が高まってきており、平成20年3月末現在93組が家族経営協定を締結しています。
平成18年の農業産出額は148億円(前年比99.4%)となっており、作物別では、米:56.0 億円(シェア37.8%)、畜産:42.8億円(同28.9%)、野菜:35.9億円(同24.3%)、果実:6.1億円(4.1%)、工芸農作物:3.0億円(2.0%)、花き:2.3億円(1.6%)となっています。
二本松市、大玉村、本宮市は米穀データバンクの評価で、Aランクに格付けされており、県内有数の良質米産地となっています。
特に大玉村と本宮市は、特別栽培米の先進地で、平成14年度から福島県特別栽培認証制度に基づいた栽培を行っており、地元の堆肥
センターから供給される良質堆肥を活用し、減農薬・減化学肥料の「環境にやさしい米づくり」に積極的に取り組んでいます。
また、 二本松市内でも旧東和町、旧岩代町などの山間地域では、地元酒造会社に酒造用のかけ米を供給する特色ある米づくりを行って
います。


大玉村大山の特別栽培米ほ場(左)堆肥投入直前の様子 (右)成熟期を迎えた特別栽培コシヒカリ
「夏秋きゅうり」、「夏秋トマト」「夏秋ピーマン」「夏秋ナス」が国の指定産地を受け、あだたら山麓から阿武隈山系にわたる「ほんとうの空の下」で旬の
おいしい野菜を栽培しています。
また、旧安達町の特産である「あさつき」を冬から早春にかけ東北・北海道に出荷しています。
その他「サヤエンドウ」、「サヤインゲン」が古くから阿武隈山系中心に、「グリーンアスパラガス」が本宮市中心に栽培しています。秋冬野菜とし
て「ニラ」、「シュンギク」等の栽培も行われてきています。




左よりきゅうり、ミニトマト、あさつき、なす
安達地方では、ナシ、リンゴを主体とした果樹経営が行われ、二本松市ではエコファーマーによるナシ栽培が行われ、フェロモン剤や
有機質を活用した安全で安心なおいしい果実が生産されています。
また、羽山団地や東北団地では、着色の良いこくの有るリンゴが生産され、消費者に人気があります。
遊休農地を活用したカキ(蜂屋柿)栽培が増えてきており、JAのカキ部会によるあんぽ柿の生産も行われています。その他にイチジク
(ホワイトゼノア)やギンナン、ブルーベリーなどが栽培されています。


ナシのフェロモン剤設置状況
あんぽ柿の乾燥状況
近年、スプレーマムの栽培が盛んとなり、周年的な栽培が行なわれています。常に新しい品種を先取りして試作・栽培していることが
産地の特徴です。また、冬期間の労力活用や遊休農地を活用して、枝物栽培(ウメ・モモ・サクラなど)も増えています。

スプレーマム
安達地域は、県内でも屈指の畜産地帯であり、特に乳牛・肉用牛の飼育が盛んな地域となっています。西の岳地域では酪農
が多く、東の阿武隈山系には和牛の繁殖、肥育が多いという特徴があります。
また、本宮市と大玉村の2市村では堆肥センターが設置されており耕畜連携による有機資源の循環を支援しております。
特徴的な事例として、本宮市白沢地区では遊休桑園を利用して和牛の放牧を行っており、全国的な注目を浴びています。

左:本宮堆肥センター 右:遊休桑園放牧地
安達の養蚕は、戸数が著しく減少するなど厳しい状況にありますが、養蚕技術は進歩を続けており稚蚕用人工飼料による共同飼育
や個人1〜3齢飼育が実用化されるなど、養蚕農家は積極的に取り組んでいます。
兼業化の進行で地域の生活水準は向上しつつありますが、基幹的農業従事者の減少に伴い農業労働力の高齢者及び女性への
依存が一層高まっています。女性グループにより、共同加工施設利用による加工品や特産品づくり及び家庭生活設計の見直し、生活
環境の改善等、意欲的な活動が実施されている。一方では、兼業化の進行が生活スタイルの多様性を促進し、集落等における相互扶
助の連帯感が薄れ、集落機能の低下が地域の課題となっています。