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パラグアイ通信(30)

  パラグアイにきて一年が過ぎ、一年目は事情も分からずなかなか任国(パラグアイ)外に出る勇気がなかったのですが、二年目に入って夏休みがあることなどから1月初旬から一週間アルゼンチンのパタゴニア地方に行ってきました。 お目当てはパタゴニア南部にある氷河の見学です。環境工学から考え、地球温暖化がどのように氷河の状態に変化を及ぼしているかも見たかったのです。

  パタゴニア地方と言うのは、南緯40度付近より南の地方を言いますが、途中、南緯43度付近の大西洋岸にあるバルデス半島でアザラシを見て、それより100kmほど南のトンボ岬に、繁殖期に50万羽も集まるマゼランペンギンの保護区を見てきました(写真1)。

  翌日飛行機で南緯50度付近にあるカラファテに飛びました。ここは、樺太の中央部ぐらいの位置であり、台湾の位置にあるパラグアイの気候に比べてかなり涼しく、キルティングを着なければならないほどでした。カラファテの一日目はアルゼンチン湖にせり出して崩壊をするペリト・モレノ氷河の見学です。ここの氷河は比較的移動が活発で、中央部で1日2mも移動するそうで、「パン・・、パン・・という乾いた音を立てて崩壊する氷河は、見ていて飽きないものです(写真2上)。しかし映画で見るような大きく崩壊する状況は見ることはできませんでした。氷河をよく見ると青く見える部分があるのです。湖を漂っている氷河のかけらで青いものがあったので写真を撮りました(写真2下)。ガイドにどうして青いのかと聞いたら、降った雪が積もった圧力で空気が追い出され非常に透明度の高い氷になるので波長の短い青だけが反射してくる、海の水が青いのと同じだと言っていました。また、温暖化の影響を聞いたらここの氷河はまだ顕著な後退は起きていないとのことでした。

  ところでこのパタゴニア地方、昔、中学の地理の時間にパンパスの土地と習った記憶があり、緑の草原をイメージしていたのですが、現実は砂漠に近い不毛の地でした。写真1に見える背景は、背の低い乾いた雑木がまばらに一面に生えており、飛行機の上から見ると作物の取れない褐色の大地にしか見えません。偏西風に乗った太平洋から湿度を含んだ風がアンデスの山々で雨や雪を降らせ、氷河を作る原料となり、水分を取られた乾いた風がパタゴニア地方に吹いてきて、不毛の地としているようです。そして、アスンシオンに帰る飛行機から見たパラグアイはなんと多くの木や草の生えている緑の土地であることかと感じました!パラグアイには豊かな大地があるなと感じたパタゴニアへの旅でした。

▲写真1
Punta Tombo (トンボ岬)のペンギンの繁殖地
(まばらに生えたドライフラワーのような植物。この植物の下に穴を掘って多くのペンギンが産卵のために巣をつくっている)

▲写真2 
湖にせり出した氷河の先端。中央部で1日2m移動しているとのこと。
「パン・・パン・・」と比較的頻繁に崩壊が起こる
氷河の割れ目の中に青い氷が見える

 

廣瀬 靖夫
(シニアボランティア 環境工学)

 
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