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パラグアイ通信(29)

  発展途上国においてのインフラの脆弱さは一般的です。特に上下水道においてよく見聞きすることを報告しましょう。

  大学にいると、学生さんたちの工場見学ツアーがよくあり、その中で浄水場を見学する機会を得ました(写真1)。アスンシオン市のパラグアイ河から水をくみ上げており、浮遊物を沈殿させ、塩素で殺菌しそれを石灰乳で中和して浄水としていました。ここESSAPの浄水場は約10年前に日本の援助で整備拡張され、市の水道普及率は50%から80%に上昇しました。

  見学したときは、特に問題ない設備と感じましたが、引率した先生によると、取水するすぐ上流に大きな船着場ができることになり今建設中ですが、将来水質汚染の原因になると心配していました。外国資本の船着場で、パラグアイ政府は大きなお金が入ってくると許可したらしいのです。

  まだ問題があります。それは各家庭すべてに水道メーターが設置されておらず、水道料の徴収率は55%にとどまっており、私のアパートでも水道料はとられていませんでした。もうひとつは、水道管が老朽化しており道路のあちこちで水が噴出していることです。すぐ直しているようですが、メンテナンス費用はどうしているのでしょうかね?

  もうひとつの下水に関して、私たちが毎日生活していて困っていることがあるのです。それはトイレットペーパーを便器に捨てないでくださいと言うことです(写真2)。トイレットペーパーが水に溶けにくいというのがその理由らしいのです。これはかなりのカルチャーショックですね。

  トイレの中には大きなくずかごがおいてあり、「大」のときも流さず、紙はくずかごに入れるのです。日本のようにウォシュレットもないし大変です。しかし、皆がこのようにしているかは分かりません。と言うのは大学の近くでかなりの頻度で下水が道路にあふれ出ることがあるのです。もちろんその時は、においも相当なものです。そして、下水の上蓋をあけて、フレキシブルのピアノ線みたいなものをつなぎ合わせて下水道の中を突っつきまわしてそのつまりを解消しているのです(写真2小)。

  雨水は下水道とは別で、道路が雨水道になっていると言ったら言いすぎでしょうかね。道路に側溝はなく、歩道との段差があるのみで、雨が降ると雨水が自動車道路に沿って流れてゆきます。ところが南方特有の夕立が降るとあっという間に道路が川になってしまいます。バスに乗っているとちょっとした窪みを通るときなど水がバスの中まで入ってくることもあります。
これらのインフラを改善するにはまだまだ時間がかかりそうですね。

▲写真1 パラグアイ河に設置されたESSAP浄水場の取水設備
(写真で、水色のパイプの上向
こう側に建設中の船着き場の建設現場が見えます)

▲写真2-上
トイレに紙を捨てないでくださいの貼り紙(スペイン語の学校のトイレ内に)

▲写真2-下
下水道の詰まりを解消するための作業、周りにある水はあふれた下水です。

 

廣瀬 靖夫
(シニアボランティア 環境工学)

 
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