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◆一年を過ごして
南半球での生活もあっと言う間に一年が過ぎ去ろうとしてします。地図でみるとずい分遠くに来てしまったと思うのです。南の地方が寒く、温かい北風、真夏のクリスマス、なにより南十字星の輝きを見ることができるのが特典の一つでしょうか。

バナナやみかんがなり花いっぱいの庭先で椅子にこしかけてマテ茶を飲みながらのんびりと時を過ごし、道ですれ違うと“オラ!!”と笑顔で挨拶してくれる人々。今、風景があまり変わらないまま冬を迎えています。皆様からのお便りを手にするたびに暖かいものが胸いっぱいに広がって何回も何回も読み返し、励まされ勇気づけられました。ありがとうございました。四季折々の美しい会津を思い出しながら、日本に生まれ帰ることができるということが、どんなに幸せなことが感じてします。8月初旬一時帰国します。

 

◆オベラ日本語学校への道
ハルディンの町を出るともうそこはルータ・シエテ(国道7号線)きれいに刈りそろえられた紅茶、ジェルバの畑が続き、ジェットコースターのような道を上ったり、下がったりするうちに、インディオ手作りのかご、木彫り等置いてある小屋が所々に見えてくる。車から降りてのぞいていると、誰もいなかったはずなのにいつの間にか大人も子供も集まってきて私達を眺めている。この道路沿いに学校も建てられインディオの保護地区になっている。白や黄の蝶が乱舞し、たまにへびを踏んだりしながら車はチーター・トウカン(バナナのような黄色い大きなくちばしの鳥)等、野生動物・鳥のすむ原生林丸ごとの国立公園の側を通りぬける。

夕焼けに染まった山なみを原生林の眺めに心が癒され、元気が回復する。アリストブロ・デル・バージェという町に入ると十字路で車は速度を落とす。道路がこぶになっていてスピードが出せないようになっているのです。(信号がないので)ローボ・デ・ブーロ(ロバの背中)といっています。

ここから国道14号線沿いに大小様々な蟻塚を沢山見ることができるのです。初めて見たときは“お墓かな、なんだろう”と。大きいのは1m以上もありパンを焼くことができる程固く、この中の蟻にさされると入院治療をしなければいけないとか。中がどんなになっているのか見てみたいのですが。毎週ハルディンアメリカからオベラへ100qのこの道を往復しています。

 

◆アンデス山脈をこえてイースター島へ始めての二人旅
モアイ像で有名なイースター島はお隣りチリ領。この海岸線から800q南太平洋にポツンと浮んだ島。900体のモアイは空や海をみつめ倒されたままのものも。小さなものは1.1m。大きなものは2.2m。どうやってこの島に人が渡り、その人は誰を祖先とする
のか、なぜ大きなモアイを作り続けたのか、まだまだ謎も多く、世界的な重要文化財の宝庫で世界遺産に登録されている。

さわってもいいモアイもあってとても感動しました。夕日がモアイの背から射し長い影を作り静かに沈んでゆく。そして南十字星が輝き出し波の音だけが響く。心身共に疲れていた私達は2日間この島に滞在しすっかり元気を回復しました。日本のクレーンと技術と4億円もの資金援助で15体のモアイを復元し、凸版印刷の技術・資金援助で博物館も新築されていた。島の人たちが“トモダチ”と声をかけてくれ、大変居心地がよい島でした。


カットの絵は岩崎美咲・イリサ(11才)

2003年7月

若林 順子

 
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