プロトコール(国際儀礼)について
プロトコール(Protocol)とは、国際儀礼(国際間のエチケット)の意味である。地方自治体や民間団体が海外の地域と直接交流する例が多くなっているが、誠意が通じるよう、そして誤解を招くことのないよう、国旗の並べ方や席次など最小限の知識は心得ておく必要がある。このページの掲載内容は内部資料として福島県国際課が作成したものであり、詳細は市販のプロトコール関連書籍で確認されることをお勧めする。
1. プロトコールの基本 2. 表敬訪問 3.
歓迎レセプション、夕食会等 4. 席次 5. 表敬&レセプションのオーガナイズ手順早分かり
1. プロトコールの基本 プロトコールとは「人と人とを結ぶ接着剤・潤滑油」という意味を持つギリシャ語が語源であり、接遇で最も重要なのは「お互いを思いやる心配りとマナー」である。お客様をお迎えする際には、プロトコールの原則を踏まえたうえで自然な「もてなしの心」が表れるようにすることが肝要である。
プロトコールの基本としては、次の5つの原則(3R2L)があると言われている。 ・異文化の尊重
(Local customs respected) 相手の国との間で、あるいは他国間で互いの文化・習慣を尊重するということがプロトコール実践の条件である。しかし自国の文化への理解なくして他国の文化の理解はあり得ず、相手の文化に敬意を表しながら、自国の文化の良さを表現していくことが本当の意味の相互の異文化尊重である。
・序列の重要性 (Rank conscious) 式典や公式行事での並び順や席次、食事の席次など、多くのことが序列により決まってくる。賓客が一同に集まるときは、まず社会的地位の序列を組み立てておかなければならない。しかし原則以上の主催者の判断が必要になることもある。
・右上位 (Right on the first) 主催者である自分の右隣に主賓の第一位の人が来る。
・返礼 (Reciprocation) 晩餐会を催してくれたら返礼晩餐会をするなど、お付き合いは相互関係にある。
・レディファースト (Lady
first) レディ・ファーストは序列とは何の関係もなく、地位や上下関係とは別であり、今やほぼ世界中で通用するマナーと考えて良い。
2. 表敬訪問(1)
国旗の掲揚
歓迎と敬意を表すために、国旗の掲揚が多く用いられる。ポールによる掲揚、壁掲揚、卓上旗のいずれか、または組み合わせて利用する。
(2) 席次 表敬会場における席次は、主人の上位席(右手側)に相手方を配するのが原則であるが、会場の造りにより逆の対応をする場合もある。(「4席次」参照)
(3) 記念品等 一般に、表敬訪問者は土産品を持参することが多いため、訪問を受ける側も準備しておくことになる。伝統工芸品等が無難で良く使われる。避けた方が良い物は、かさばる物、重い物、こわれやすい物、高価な物、趣味に左右される物等。なお、中国では置時計をその発音から不吉として贈り物には使わないなど、国によって贈り物に適さないものがあるので注意する。
3. 歓迎レセプション/夕食会等 レセプションは、飲み物を主とした懇談の場であり、立食で行われることが多い。レセプションや夕食会等、食事を伴う接遇の注意すべき点は次のとおりである。
(1) 食事の内容 宗教上の制限 イスラム教の人々は豚肉や酒を飲食せず、ヒンズー教の人々は牛肉を食しない等、宗教による飲食の制限は広範囲にあるので、必ず確認する。
ベジタリアン(菜食主義者) 予想以上にベジタリアンは多い。その程度はさまざまで個人差が大きいため、ベジタリアンかどうか、またその程度をあらかじめ確認する。
食べ物、飲み物の嗜好 宗教やベジタリアンとは別に、食べられない物があるか確認する必要がある。生の魚(刺し身等)は食べられない人が多い。
以上の3点を確認し、その他できれば好みを聞いてメニューを決める。ベジタリアンにはベジタリアン用のメニューを別に準備する。つまり客人に対し、食べられないものを供することのないように配慮するということである。
(2) 席次作成 立食以外の場合は席次が重要なポイントになる。招待者の誰からも不満の出ないように、十分検討して作成する。(「4席次」参照)
(3) その他 歓迎レセプションでは、主催者が来客の一人ひとりを迎えるのが基本的なマナー。レセプションが始まる直前、来客が揃っているところへ主催者が現れるようなことは避けること。スピーチは主催者、来賓が各一人位ずつとし、短くまとめるように心掛ける。懇談の場であり儀式ばらないことが肝要である。
4. 席次 表敬訪問、レセプション、車の中など、常に上席は右である。相手を自分の右に見る
ように配席する。複数の場合は、それぞれの肩書等により順序を決めるが、親善訪問団等のように序列付けが困難であるときには、年齢順に配席すると良い。
(1) テーブルプランの原則 ・洋室では暖炉、和室では床の間を背にした席が上位席。出入口に近い席は下位席。
・食卓の端は、女性でなく、できるだけ主人側の男性が座ることが望ましい。 ・夫婦の隣合わせ、同性の隣合わせは避けるようにする。
・主人側・客側が混ざり合うように、バランス良く配する。 ・序列順に機械的に人を並べるのではなく、隣合わせになった場合、言葉が通じるかどうか、趣味や仕事の点で話がはずむかどうか、といった配慮も必要。
・出席者の多い場合、丸テーブルを散らすことが多い。各テーブルには、主客、男女、地位の高い人、低い人を均等に配する。 (2)
通訳者の扱い ・公式の席では、通訳者は食卓につかず、通訳をする人の背後に適当な席を与えられるのが普通。この場合、通訳者の食事は別途手配する。
・食卓につく場合は、通訳者の席は序列の順序にカウントせず、一番仕事のやりやすい席を与えられる。 (3)
テーブルプランのチェック テーブルプランができたら、一人一人の客の立場になって次の点をチェックする。 ・言葉が通じるか、隣同士で共通の関心事項や話題があるか。
・公職にある人とない人、外国人と日本人、男女等がバランス良く混ざり合っているか。 ・おのおのの席に、納得のいく理由付けができるか。
5. 表敬&レセプションのオーガナイズ手順早分かり[表敬]
外国人賓客の訪問を受けるときは、用件等に応じて対応者(三役対応、部長対応等)及び日程を調整する。 1 確認事項...相手方に対し、次の事項を確認する。(FAXによる確認が早く正確)
・訪問の趣旨 ・訪問者(国籍、肩書、性別、名前〔スペル、カナ表記〕、略歴等 ・随行者(人数、肩書、氏名等) ・通訳(通訳の必要性の有無、通訳者同行の有無)
2 作業事項 ・事前資料の準備 訪問者、随行者、訪問の趣旨、その国の概要、福島県との関係及び席次等をまとめ、関係者に配付する。
・通訳者への対応 通訳者をこちら側で準備する場合は、作成した事前資料をなるべく早く通訳者に渡すとともに、双方のスピーチ原稿も早めに入手し通訳者につないでおく。
[レセプション等] 1 会場 外国人は正座に慣れていないことを念頭に置く。テーブル着席が理想だが、座敷なら堀こたつ式、なければ座椅子を準備してもらうのがベター。しかし純日本式を希望する外国人もいるので、ケースバイケースになる。
2 上位席等の確認 入口から一番遠いところが上位席とは限らず、また会場によりテーブルの配置に限度があるので、図面だけでなく必ず現場を見て、窓や庭の方向、室内の造り等を踏まえて上位席を確認し、使用するテーブルの形態を決める。
3 招待範囲の決定、招待状の発送、出席者確認 出席者が確定しないと、テーブルプランが作れないので、早めに作業を進める。
4 通訳者の手配 主客と主人(もてなす側)の懇談が可能なように、また各テーブルに一人は通訳可能な人を配置できるよう、十分な数の通訳者を手配する。
5 通訳者への資料提供 スピーチ原稿や出席者のプロフィール等、関連資料はなるべく早く通訳者に提供しておく。
※プロトコールの参考文献 「国際儀礼とエチケット」友田二郎著(学生社) 「国際儀礼に関する12章-プロトコール早わかり」外務省外務報道官編(世界の動き社)
「やさしい国際儀礼プロトコールQ & A」外務省外務報道官編(世界の動き社) 「現代プロトコールわかりやすい国際交流マナー」山本節子著(ぎょうせい)
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