「こまちダム賛歌」の誕生
1.はじめに
こまちダムは、福島県田村郡小野町の黒森川に建設中のダムで、洪水調節、水道用水の開発を行うとともに、既得取水の安定化及び河川環境の保全のための流量確保を目的とした多目的ダム(生活貯水池)です。ダムは堤高37.0m、堤頂長150.0m、堤体積30,200m3の重力式コンクリートダムで、平成15年10月14日に着工、平成16年6月24日にコンクリート打設を開始し、平成19年3月末の完成をめざし、本体工事を鋭意進めているところです。
この「こまちダム」では、ダムおよび地域の特徴を込めた「こまちダム賛歌」を作成し、ダム事業のPRに大いに活用し、地域に根ざしたダム造りを行っています。
2.ダムが建設される「小野町」
こまちダムの建設される福島県小野町は、人口12,559人(平成16年4月1日現在)、阿武隈山系の中部、田村郡の南部に位置しており、周りは標高700メートルを超える山々で囲まれています。町の中央には、太平洋に注ぐ右支夏井川(やがて黒森川もこの川に合流します)が流れており、この川に沿って平坦な土地が形成されています。
小野町中心部の標高は400mで、周囲は阿武隈高原中部県立自然公園に囲まれており、高柴山にはツツジ2万株の群生があり、矢大臣山には高山植物・深山あずま菊が群生し、いずれも多くの観光客を集めています。1)
また、小野町は平安時代に活躍した才能溢れる歌人である「おのの小野こまち小町」の生誕伝説が残るところであり、小野小町は、紀貫之が古今和歌集で選んだ六歌仙のうち、ただひとりの女流として非常に有名な女流歌人です。「こまちダム」というネーミングも、この小野小町伝説からとられたものなのです。
3.「こまちダム賛歌」の誕生
ダムと地域が一体となって何かできることはないか、「歌でも作ってみればいいのではないか」などという話題が、酒飲みの席で冗談半分に語られていました。ところが数日経ってこれが現実のものとなり、縁があって福島市在住の野地弘治さんから、歌詞とメロディーの付いた「こまちダム賛歌」を寄贈していただくことになりました。野地さんは、趣味で音楽活動をやられており、親しみの持てる歌が完成する運びとなったのです。
歌詞は小野町を連想するものとし、ダムが完成することによって小野町民とダムとがどのように係わっていくかをイメージて作られました。さらに、メロディー(音)は、誰もが歌いやすいよう子供達の鼓笛隊などでも演奏できるようなテンポとリズムに工夫して作られたとのことです。
4.小野新町小学校合唱部によるレコーディング
小野町のご厚意により、地元小野新町小学校の合唱部で、この「こまちダム賛歌」を歌って頂くこととなりました。小学校4年生から6年生までの23名で構成され、高音域と低音域とのパートを分担して合唱しているところなど、「こまちダム賛歌」への意気込みが強く感じられる合唱となっていました。
起工式では、式典会場にて合唱の披露が行われ、子供達の澄みわたる歌声が会場内に響き渡り、感動の拍手が鳴りやまず、参加者の中には、未来を担う子供達の真摯に歌う姿に心を打たれ、感動のあまり目頭を押さえる方もおられました。
この合唱は、こまちダム建設促進協議会によってレコーディングが行われ、CDが制作されました。CDには子供達の写真が印刷されており、子供達にとっても良い思い出となる「こまちダム賛歌CD」が出来上がりました。
5.おわりに
「こまちダム賛歌」の完成は、小野町のPRに貢献すると共に、地元の方々にダムへ関心を持ってもらうことができました。また、こまちダム賛歌は、様々な立場の方による関わりによって無事完成することができ、地元の方々とも交流を育むことができるよい機会を与えてくれました。
平成16年11月に行った定礎式においても、この「こまちダム賛歌」をバックに小中学生による「ふる里石埋納」を行いました。
平成19年3月に行った竣工式では、ダムサイト左岸休憩施設にこまちダム賛歌の歌碑が設置されました。式典では、佐藤知事らによって除幕が行われ、大勢の参加者が見守る中で小野新町小学校合唱部によるこまちダム賛歌の合唱も披露しました。今後も式典やイベント等においてCDによる演奏を予定しており、皆様から愛される「こまちダム」を目指してまいります。
