疾患別治療成績

当院阿部副院長による胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌の疾患別治療成績を掲示しています。
1 胆管癌
2 胆嚢癌
3 乳頭部癌
1 胆管癌
一口メモ
 胆管は、肝臓で造られた胆汁を十二指腸まで運ぶ役目をしています。
 胆管は上部・中部・下部の3つに分けます。上部と中部は肝臓と膵臓の間の胆管を2等分したものです。

 下図は、阿部らが福島県立医科大学医学部第一外科に在籍していた時期に出した成績です。
 一般的に、手術成績を評価する時には、5年生存率でみます。つまり手術した患者さんが5年後(60ヶ月後)生存している確率を統計学に割り出したものです。青線の中部胆管癌と黄線の広範囲胆管癌(3つの部位のうち、2つ以上を癌が占めているもの)が成績不良であることがわかります。
 上部胆管癌(別名:肝門部胆管癌)の5生存率の全国平均は35〜40%であることから、全国平均よりかなり成績がよいことがわかります。
胆管癌治療成績
下図左の説明
 治療別の成績を示しています。手術して癌を取ったものを切除例、癌がとれなくて胆管内に金属コイルを挿入したり、胆管と消化管をつないで、胆汁を体内に流し、黄疸(胆汁が肝臓で造られながら、肝臓から胆管に流れないため、皮膚が黄色くなる状態)を解消する手技を施行したものを内瘻化例、何もしなかったものを非手術例とした成績です。手術で癌を取った場合は他の治療に比較して成績は良好です。内瘻化例と非切除例にはあまり差はありませんが、入浴することが可能となり、生活の質の向上が得られます。

下図右の説明
 左図のうち、切除例を2つに分けたものです。つまり、手術で癌を切除し、切除したものを顕微鏡で検査しても、完全に癌が取り切れていると診断できた場合を、治癒切除例、肉眼的や、顕微鏡で検査して癌が体内に残っていると診断された場合を非治癒切除例と分けました。当然のことながら、治癒切除例は最も成績が良好です。非治癒切除は治癒切除に比較して、成績は劣りますが、内瘻化例や非切除例よりは長生きできる確率が高いことがわかります。
2 胆嚢癌
一口メモ
 胆嚢は、肝臓で造られた胆汁をここで濃縮したり、十二指腸への流れを調節する役目をしています。
下図左の説明
 治療別の成績を示しています。手術して癌を取ったものを切除例、癌がとれなくても癌により圧排されている胆管内に金属コイルを挿入したり、胆管と消化管をつないで、胆汁を体内に流し、黄疸(胆汁が肝臓で造られながら、肝臓から胆管に流れないため、皮膚が黄色くなる状態)を解消する手技を施行したものを内瘻化例、何もしなかったものを非手術例とした成績です。手術で癌を取った場合は他の治療に比較して成績は良好です。内瘻化例と非切除例には差は全くありません。

下図右の説明
 左図のうち、切除例を2つに分けたものです。つまり、手術で癌を切除し、切除したものを顕微鏡で検査しても、完全に癌が取り切れていると診断できた場合を治癒切除例、肉眼的や、顕微鏡で検査して癌が体内に残っていると診断された場合を非治癒切除例と分けました。当然のことながら、治癒切除例は最も成績が良好です。非治癒切除は胆管癌とは異なり(上図参照)、非治癒切除は内瘻化例や非切除例と全く成績が変わりません。したがって、外科医は非治癒切除に終わる手術を極力避ける努力をしなければならないわけです。
3 乳頭部癌
一口メモ
 乳頭部は、胆管と膵臓で造られた膵液を十二指腸へ流す膵管が合流し、胆汁および膵液を十二指腸へ流す調節をする役目をしています。
下図左の説明
 治療別の成績を示しています。手術して癌を取ったものを切除例、癌がとれなくても癌により圧排されている胆管内に金属コイルを挿入したり、胆管と消化管をつないで、胆汁を体内に流し、黄疸(胆汁が肝臓で造られながら、肝臓から胆管に流れないため、皮膚が黄色くなる状態)を解消する手技を施行したものを内瘻化例とした成績です。内瘻化例は高齢のため手術を本人が拒否した例で、その他は全例切除されています。切除率は高いのですが、5生存率は他の胆管癌と同等です。

下図右の説明
 左図のうち、切除例を2つに分けたものです。つまり、手術で癌を切除し、切除したものを顕微鏡で検査しても、完全に癌が取り切れていると診断できた場合を治癒切除例、肉眼的や、顕微鏡で検査して癌が体内に残っていると診断された場合を非治癒切除例と分けました。胆管癌や胆嚢癌と比較しますと、治癒切除例の割合が多いのですが、5生存率は治癒切除例と非治癒切除に差がありません。


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