水環境トピック
◎ 水質関係用語解説

用  語

説       明

赤潮   プランクトンの異常増殖により海水が赤褐色などの色に変色する現象をいいます。湖沼で発生することもあり、この場合特に「淡水赤潮」と呼んでいます。赤潮の発生は、しばしば魚介類の大量死をもたらし、漁業をはじめとする産業に多くの被害を与えます。主として窒素、燐などの流入による()栄養化が原因となっています。
  裏磐梯では、平成元年5月に秋元湖で植物プランクトンのウログレナ(黄色鞭毛藻類(おうしょくべんもうそうるい))による赤潮が、また、同年9月には小野川湖と秋元湖でペリディニウム(渦鞭毛(うずべんもう)藻類)による赤潮が確認されました。
環境基準  人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として定められたものです。
 このうち、水質汚濁に係る環境基準は、「人の健康の保護に関する環境基準」(いわゆる“健康項目”)と「生活環境の保全に関する環境基準」(いわゆる“生活環境項目”)が定められています。
 なお、環境基準は行政施策の目標値として設定されているものであり、この数値がそのまま工場等を規制するための排水基準となるものではありません。
公共下水道   主として市街地の下水を排除・処理するために地方公共団体が管理する下水道を言います。家庭や工場などからの下水は、道路の下に敷設された下水管渠により排除され、その流末に設置された終末処理場で処理された後に河川等に放流されます。
  2つ以上の市町村の下水を集めて処理する下水道は流域下水道と、また、公共下水道のうち市街化区域以外で設置される下水道は特定環境保全公共下水道(通称「特環」)と言います。
公共用水域   水質汚濁防止法において、公共用水域とは河川、湖沼、港湾、海岸、海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路(終末処理場を設置する公共下水道及び流域下水道(その流域下水道に接続する公共下水道を含む)を除く)をいうと定義されています。
COD(化学的酸素要求量)
  Chemical Oxygen Demandの略。水中の有機物を酸化剤で化学的に分解した際に消費される酸素の量で、湖沼、海域の有機汚濁の程度を示す代表的な指標です。この値が大きいほど有機物が多く、汚れていることを示します。
自浄作用   河川などに汚濁物質が流入しても、自然の浄化作用によって汚濁物質の濃度は時間とともに減少していきます。これを自浄作用といいます。希釈・拡散・沈殿などによる物理的作用、酸化・還元・凝集・吸着などの化学的作用、微生物等による吸収・分解などの生物的作用の3つの作用により浄化されます。
全窒素(T−N)   窒素は、自然界では植物体などに含まれ、降雨などに伴い山林・田畑から流出し、水中を移動します。また、人為的には、生活排水及び畜産排水などに含まれています。全窒素は、水中の様々な形態の窒素を全体として測定したものであり、湖沼や海域の()栄養化を図る代表的な指標として利用されています。
全燐(T−P)   燐は、自然界では地殻を構成する岩石や土壌に含まれ、降雨などに伴い山林・田畑から流出し、水中を移動します。また、人為的には、生活排水、工場排水及び畜産排水などに含まれています。全燐は、水中の様々な形態の燐を全体として測定したものであり、湖沼や海域の()栄養化を図る代表的な指標として利用されています。
トリクロロエチレン   トリクロロエチレンは、有機塩素系の化学物質でトリクレンとも呼ばれています。常温では液体で蒸発しやすく、様々な有機物質を溶かす力が強いため、油分や繊維製品のよごれを落とす目的で、工場や事業所などで広く使用されてきました。しかし、トリクロロエチレンは、環境中で分解されにくい化学物質で、肝臓や腎臓に障害を及ぼすとされ、動物実験では、がんを引き起こす恐れのある物質であることがわかってきました。また、近年、トリクロロエチレンによる地下水汚染が、各地域で顕在化しています。
BOD(生物化学的酸素要求量)

 
  Biochemical Oxygen Demandの略。水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費される酸素の量で、河川の有機汚濁の程度を示す代表的な指標です。この値が大きいほど有機物が多く、汚れていることを示します。
()栄養化   藻類や植物性プランクトンは太陽光線を受けて増殖し、これらが枯死し腐敗する過程で窒素や燐を水中に放出します。このサイクルによって、湖沼などの閉鎖性水域で窒素や燐などの栄養塩類の濃度が増加していく現象を()栄養化といいます。本来は数千年かかるこの現象が、近年では生活排水や肥料などが流れ込むことによって急激に加速されています。()栄養化になると、植物プランクトンが異常繁殖し、赤潮やアオコが発生します。これが進むと、水中の溶存酸素が不足し、魚類や藻類が死滅し、水は悪臭を放つようになります。
pH(ぺーはー)(水素イオン濃度指数)    水の酸性とアルカリ性の度合いを示す指標です。中性の水はpH(ぺーはー)7で、7より小さいものは酸性、7より大きなものはアルカリ性といいます。通常の淡水はpH(ぺーはー)7前後で、海水はややアルカリ(せい)pH(ぺーはー)8前後です。pHは(ぺーはーわ)水中の化学的作用や生物作用に大きな影響を与えます。強い酸性やアルカリ性の水の中では微生物は活動できず、アルカリ側では金属の水酸化物が生成して透明度が下がったり、底泥(ていでい)の堆積量が増えやすく、酸性側では土壌や底泥(ていでい)中の重金属類が溶出しやすくなります。
 猪苗代湖は酸性湖沼で、pH(ぺーはー)が5程度で推移してきましたが、近年pH(ぺーはー)が上昇傾向にあるため、自然の浄化機能が働かなくなり水環境が悪化する恐れが懸念されています。
閉鎖性水域    外部との水の交換が少ない湖沼、内湾、内海などを閉鎖性水域といいます。閉鎖性水域では流入してくる汚濁負荷が、外部に流出しにくいため、同水域(ない)に蓄積します。このため、大都市や工業地帯に面している閉鎖性水域では水質汚濁が著しく、()栄養化も進行しています。外洋との海水交換が悪く、周辺からの流入汚濁負荷が大きい東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などでは赤潮が発生したり、都市化が進んだ地域の霞ヶ浦、諏訪湖、手賀沼などの湖沼ではアオコが発生しています。このため水質汚濁防止法、湖沼水質保全特別措置法、瀬戸内海環境保全特別措置法等に基づき、対策が進められています。
有機塩素系化合物    炭素あるいは炭化水素に塩素が付加された化合物を総称して有機塩素系化合物といいます。ほとんどの有機塩素化合物は人工的に合成されます。付加された塩素が多いほど不燃性、脂溶性があり、主に溶媒、農薬として使用されてきました。しかし、その難分解性、蓄積性、毒性のために、地下水汚染、食物連鎖による生物体内濃縮、オゾン層の破壊など環境破壊、生体影響が表面化してきました。このため、PCBやトリクロロエチレンなどについては、人の健康の保護に関する環境基準が設定されており、水質汚濁防止法、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に基づき、その製造や排出が規制されています。



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