Q7  子どもの身体に不自然なあざや傷が絶えず、母親に聞いても全く要領を得ません。家で母親から何かにつけ厳しく叱られ、叩かれたりしているようですが、どのように対応したらよいのでしょうか。(保育所、幼稚園)
 
A7
 身体的虐待が疑われます。身体的虐待は子どもへの拒否感や逆に子どもへの過剰な期待感により引き起こされるものです。保護者に、体罰では子どもの行動は改善されないことや、今後の健全な成長や発達を損なうことを、理解させなければなりません。

 さらには、しつけと思っている行為が子どもにとって恐怖感や不安感を与えるようなら、それは虐待にあたることも理解させることが必要です。

 ただ、「何の罪もない子どもを虐待するなんて!」と直接的に非難したり、拒否したくなりますが、虐待に結びつく親の中には、親自身が悩み、援助を求めている場合もあり、また、子どもの側にも虐待を誘発しやすい要因がありうることも念頭に置く必要があります。最初にマイナスイメージを持つと親との関係がうまくいかなくなり、問題の解決が難しくなる場合があります。

 アドバイスをしても改善されないときは児童相談所や福祉事務所に通 告してください。

 緊急度が高いと判断される場合は、保護者への指導よりも通告を優先してください。

 緊急度が高い場合とは、生命に危険のある暴行で、外傷としては、骨折、頭部外傷、あざ(内出血)、切り傷、刺し傷、火傷などがあります。さらには、首を絞める、布団蒸しにする、溺れさせる、逆さ吊りにする、毒物を飲ませる、冬戸外に閉め出す、意識的に食事を与えないといった事例もあります。

 なお、重症度を判断するための指標(「児童虐待対策に関する資料集(厚生省)」抜粋)は、以下のとおりとなっています。

   
指 標 高いリスク 中度リスク 低いリスク
1. 子の年齢・心身状態 4歳以下、心身障害/多動 5〜9歳、手がかかる子 10歳以上、障害なし
2.
虐待の程度  身体的虐待
 ネグレクト
緊急入院・治療を要する傷
援助を拒否する
小さい傷、原因不明の傷
必要なケアをしていない
外傷がない
偶発的ネグレクト
3. 外傷の部位 頭・顔・性器 胴体 四肢
4. 情緒行動問題 ひどい問題行動 問題行動あり 問題行動なし
5. 保護者の能力 現実意識を欠く 軽度の身体・精神障害あり 現実的な期待ができる
6. 援助への協力度 問題を認識していない 援助介入に文句を言う 援助に協力的
7. 育児知識 育児知識・技術がない 一貫性がないしつけ 適切な育児知識がある
8. 育児の援助者 同居してるが虐待をする 時々代行者が世話をする 安定した継続的援助
9. 保護者の虐待歴 虐待の再犯、虐待調査中 虐待歴あり 虐待歴なし
10. 家族への援助者 地域で孤立 少し援助あり 援助あり
11. 虐待者と子の接触 家に子と2人だけでいる 家に他の大人がいる 子と同居していない
12. 家族の生活環境 乱雑な部屋、家具家屋破損 不潔 比較的清潔で安全
13. 生活のストレス、危機 配偶者の死、夫婦不和 妊娠、出産、低収入 安定した家庭と経済
14. 飲酒、薬物依存 常用 使用すると判断が鈍る 使用なし
(1)子の症状+(2)親子関係+(3)育児状況+(4)生活状態 +(5)親の要因+
(6)援助関係から総合的に評価する。
 

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