子どもの虐待対応フローチャート
 
1 虐待を疑ったときの判断
(2) チェックリストで確認
  1 虐待に早く気づくためには
  2 発見のためのチェックポイント
  
家庭・地域で
集団生活の場で
保健機関の場で
医療機関の場で
 
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1 虐待に早く気づくためには
   虐待は家庭の中で起こっていることが多く、「虐待ではないか。」という視点や問題意識を持っていないと、見過ごされてしまいがちです。それぞれの機関や日常の場面で、ちょっとしたサインを見逃さないことがとても大切です。
 児童虐待防止法第5条では、「学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健婦、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。」と定めています。親や子どもが次のような状況にある時は、虐待を疑ってみましょう。
   
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2 発見のためのチェックポイント
   
 
【1】 家庭・地域で
【虐待を疑わせる状況】
 
  • 殴る、蹴るなど虐待行為そのものの目撃
    (親はしつけのためだと言うこともある)。
  • 叩く音や叫び声などが毎晩のように聞こえる。
  【子どもの状況】
 
  • 不自然な傷が多い(顔や腕、足にあざが多くある)。
  • 夜遅くまで外で遊んでいたり、徘徊している。
  • 夜間に何時間も外に出され、家に入れてもらえない。
  • 身体、衣服が非常に不潔である。
  • 親が夜遅くまで帰らず、年齢の低い子どもたちだけで夜を過ごしている。
  【親の状況】
 
  • 地域の中で孤立しており、子どもに関する他者の意見に被害的、攻撃的になりやすい。
  • 子どもが怪我をしたり、病気になっても医者にみせようとしない。
  • アルコールを飲んで暴れることが多い。
  • 小さい子どもを置いたまま頻繁に外出している。
  • 子どもに体罰を加える。
  • 養育について拒否的であったり、食事をきちんとさせないなど放置している。
   
 
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【2

集団生活の場で
   保育所、幼稚園、学校、放課後児童クラブなどは、虐待が発見されやすい場です。しかし、 虐待という意識がないと見過ごされてしまいます。以下のような場合には、虐待を頭において 観察しましょう。保育所、幼稚園では送迎時の親などとの交流も、変化に気づくよい機会です。
   
  【乳幼児の状況】
 
  • 打撲によるあざ、火傷などの不自然な傷がよく見られ、親の説明が不自然である。
  • 特別な病気もないのに、身長や体重の増加が悪い。
  • 身体、衣服が非常に不潔である。
  • 衣服を脱ぐことに異常な不安を見せる。
  • おびえた泣き方をする。
  • かんしゃくが激しい。
  • 表情や反応が乏しく、元気がない。
  • 身体接触を異常にいやがる(抱こうとすると逃げる、身を固くするなど)。
  • ささいなことで他児に対して執拗に攻撃したり、小動物をいじめたりする。
  • 年齢不相応な性的な言葉や、性的な行動が見られる。
  • 給食のおかわりを何回も要求したり、人に隠して食べるなどの行動が見られる。
  • 職員を試したり、独占しようとし、まとわりついて離れない。
  • 家に帰りたがらない。
  【児童・生徒の状況】
 
  • 不自然な傷がよく見られる。
  • 身体的発達が著しく遅れている。
  • 身体、衣服が不潔である。
  • 表情が乏しく、元気がない。
  • いつもおどおどしていて、何気なく手をあげても身構える。
  • 理由のはっきりしない遅刻や欠席が多い。
  • 放課後、帰宅したがらない。
  • 基本的生活習慣が身についていない。
  • ささいなことでもすぐカーッとなり、友人への乱暴な言動がある。
  • いじめられっ放しで、自己主張ができない。
  • 自分より年下の子と遊ぶことが多く、時には威圧的である。
  • 単独での盗みや嘘を繰り返す。
  • 家出を繰り返す。
  • 授業に集中できず、落ち着きがない。
  • 食べ物への執着が強い。
  • 用がなくても教師のそばに近づいてこようとする。
  • 極端な性への関心や、拒否感が見られる(特に女子の性的逸脱行為)。
※児童・生徒の特徴として非行の背景に虐待の可能性のある場合があります。
   
  【親の状況】
 
  • 保育士、教師との面談を拒む。
  • 無断で欠席させることが多い。
  • 長期病欠にもかかわらず、医療機関へ受診させていない。
  • 予防接種や健康診査を受けさせない。
  • 子どもとの関わりが乏しかったり、冷たい。
  • 乳幼児期から甘やかすのは良くないと強調する。
  • 子どもに能力以上のことを無理やり教え込もうとする。
  • 自分の思い通りにならないとすぐに体罰を加える。
  • 被害者意識が強かったり、イライラしている。
  • 地域の中で孤立している。
  • 夫婦仲が悪い。
  • アルコール依存傾向や精神疾患があり、不安定である。
   
 
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【3

保健機関の場で
   乳幼児健康診査や新生児・未熟児訪問などは虐待の発見に重要な場です。親子が次のような状況にある時には、虐待の可能性がありますから、注意深い観察を行うことが必要です。
   
  【子どもの状況】
 
  • 病気でもないのに体重増加不良、低身長などの発育障害がある。
  • 原因不明または不適切な養育による脱水症状や栄養不良が見られる。
  • 不自然な傷や火傷の跡が見られる。
  • 頭蓋内出血、頻繁な骨折、火傷の既往がある。
  • 身体、衣服が非常に不潔である。
  【子どもの行動】
 
  • 表情が乏しく暗い(笑わない、凍りついた眼、おびえなど)。
  • 落ち着きがない。
  • かんしゃくが激しい。
  • 言葉や行動が乱暴である。
  • ちょっとした指示や注意で身体が異常に固くなる。
  • 衣服を脱ぐことや診察を非常に怖がる。
  • 親子関係ができていない(親に甘えない、親の顔色をうかがう)。
  【親の態度】
 
  • 子どもと関わりが少ない(抱いたり、あやしたりしない)。
  • 子どもの状態について、不自然な説明をする。
  • 子どもの扱いが乱暴である。
  • 子どもの健康に関心がない。
    (予防接種や健康診査を受けさせない、受診や入院の勧めを拒否する)
  • 健康診査にオムツや哺乳びんを持ってこない。
  • 子どもの発達状況を覚えていない、母子健康手帳にほとんど記入がない。
  • 事故防止への配慮が足りず、放任している。
    (椅子の上に無造作に寝かせたまま、その場を離れるなど)
  • 育児に疲れ、イライラしている。
   
 
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【4

医療機関の場で
   忙しい診療の中で虐待を発見するためには、医学的に説明のつかないことや不自然と思われ ることを見逃さないことが大切です。特に「繰り返す事故」「つじつまの合わない事故」「新 旧混在する身体的外傷」「説明のつかない低身長や栄養障害」は要注意です。外傷部位はでき るだけ写真撮影(日時も記入)をしておくことも必要です。
   
  【子どもの所見】
 
 ● 全身
 

□ 低身長
□ 体重増加不良
□ 栄養障害
□ 内臓出血
□ 原因不明の脱水症状
□ 繰り返す事故の既往

 ● 皮膚
 

□ 新旧混在する多数の打撲や傷
□ 多数の小さな出血(つかんで振り回したりすることで生じる)
□ 不審な傷(ベルトや硬い物で打たれた跡)
□ 不自然な火傷(タバコの火の跡、アイロンの跡、熱湯をかけた跡など

 ●
 

□ 新旧混在する多発骨折
 (全身骨X線撮影や顔面骨CT所見が有効である)
□ 捻転骨折(腕をねじり上げる)
□ 乳児の肋骨骨折、長管骨骨折

 ● 内臓
 

□ 内臓損傷
□ 内臓破裂

 ● 眼科、耳鼻科
 

□ 眼外傷所見(白内障・出血・網膜剥離など)
□ 眼窩内側骨折
□ 鼻骨骨折
□ □鼓膜裂傷

 ● 頭部
 

□ 頭蓋骨骨折、頭蓋内出血(特に硬膜下出血)、脳挫傷

 ● 腔内
 

□ 歯肉や舌の小さな凝血と唇小帯の微細な裂傷
 (泣いている幼児の口に瓶や拳を突き当てる)

 ● 性器
 

□ 性器や肛門及びその周辺の外傷やただれ
□ 若年の妊娠・中絶・出産(性的暴行との関連についても考慮する)

 ● 心理面
 

□ 極端なおびえや情緒不安定
□ 円形脱毛、チック、胃潰瘍などの心身症
□ 自傷、自殺企図
□ 食行動の異常(過食・盗食)
□ 無表情、無感動、無関心

   
  【親の態度や言動】
 
  • あいまいで矛盾した説明をする。
  • 発症から受診までの時間が長すぎる。
  • 病気、外傷の程度や治療方法、病後の経過に関心を示さない。
  • 入院が必要でも拒否したり、入院させても面会や付き添いに消極的である。
  • 勝手に外来を中断したり、転院する。
  • アルコール依存、薬物依存、精神分裂病などの疾患がある。
  • 医療関係者に対する挑発的態度や被害的態度、衝動的行動が多い。
   
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