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環境に関する言い伝え

1.環境を守るための言い伝え

(1)木・山 (2)水・川 (3)生きもの

(1)木・山

言い伝え 内容
ブナの実一升、金一升
【会津(金山町)】
 ブナ林はきれいな水や山の幸をはぐくむことから、「ブナの実が一升も採れる山は、金一升の価値がある」として、大切に守られてきています。
 御神楽岳(みかぐらだけ)の麓にある宝牧場には、ブナ林が大切に残されています。
金山町御神楽岳 宝牧場付近のブナ林
金山町御神楽岳
宝牧場付近のブナ林
提供:小荒井実氏
村内留木定綴(そんないとめぎさだめつづり)
【会津(下郷町戸赤地区)】
 下郷町戸赤地区では自然の恵みである樹木のうち5種類を勝手に切らないことなどを定め、自然との共生を堅く守ってきています。 戸赤の山桜
戸赤の山桜
七木八草四壁竹木御定法事(しちぼくはっそうよんぺきちくぼくおんさだめほうのこと)
【会津(会津若松市)】
 山林の保護のため、会津藩が慶安2年(1649年)に定めました。
 漆や桑など7種類の「第七木」を勝手に切らないこと、胡桃(くるみ)や桐など7種類の「要七木」の植栽を奨め、子孫に伝えるよう命じたものです。

布施柿(ふせがき)、木守柿(こもりがき)
【会津】
 会津地方では柿の実を全部取ってしまわず、鳥などに食べさせるために少しだけ枝に残します。これを「布施柿」や「木守柿」と言います。 布施柿
布施柿
提供:小荒井実氏
神様の休み木
【県内全般】
 枝が途中から3本に分かれ、腰をかけられるような形の木は「神様の休み木」といって切りませんでした。
 会津坂下町束松地区の「束松」(県指定天然記念物)は、このような言い伝えにより、大木になったと考えられています。
神様の休み木
神様の休み木
提供:小荒井実氏
笠松は天狗の木
【県内全般】
 傘の形をした松は「天狗の木」と言って大事にされてきました。会津坂下町の束松峠には、優美な笠松があります。
5本の木があったら2本は残せ
【県内全般】
 すべて伐採してしまうと林床(りんしょう:木の根元の地面)が乾いてしまい幼木まで枯れてしまうことから、根絶やしにせず適正に森林を更新するため「5本の木があったら2本は残せ」と言われていました。なお「5本の木があったら2本切れ」という言い伝えもあります。 林床に適度に光の当たっている林分
林床に適度に光の当たっている林分
1本切ったら1本植えろ
【県内全般】
 かつては、新築・改築のための木材は自分の所有する山から切り出しました。山林を守り育てるため、「1本切ったら1本植えろ」と言われてきました。
山の口開け(くちあけ)、草刈りの口開け
【県内全般】
 村の共同山(村山)では、栃の実や胡桃(くるみ)を採ることができる期間や草刈りができる期間が決められていました。山の恵みを公平に分け合い、また、採りすぎを防ぎました。
 栃の実などの採集の解禁日を「山の口開け」、草刈りの解禁日を「草刈りの口開け」と言います。
下刈り作業
下刈り作業
仙人は1番芽は取らない
【県内全般】
 山で五穀を断ち修行すると言われる仙人は、木や草の1番芽はその木の命であるとして決して取ることはないと言われています。
 すべて芽を摘んでしまうと木や草は枯れてしまうのです。

(2)水・川

言い伝え 内容
水のしつけ
【県内全般】
 かつては村の中に、水屋(ミンジャ)という飲み水と排水用の小堀があり、水の使い方についてのしつけが厳しく行われていました。
水林(みずばやし)の木を切ってはならない
【県内全般】
 集落の水源にある山を水林といい、水源を守るため、水林の木は団子さし(1月14日に行う伝統行事)に使う程度の少量であっても切ってはならないとされていました。
 子どもが間違えて切った場合であっても、親が叱られるほど厳しいきまりでした。
ブナの原生林に囲まれた布沢川
ブナの原生林に囲まれた布沢川
(恵みの森(只見町布沢地区))
ヨキドメ(斧止め)
【会津(只見町田子倉地区)】
 ヨキとは斧のことで、斧の使用を禁止することで水源の田子倉沢の樹木が伐採されることを防ぎました。
川柳(かわやなぎ)を切るな
【会津(只見町宮渕地区)】
 柳は根が深く土留め効果が高いので、川沿いの柳を切ると土が流され川岸が崩れてしまうことから言い伝えられました。
川に小便すると下の病になる
【県内全般】
 川に大小便すると、水神さまのたたりで腰から下の病気になるといわれました。川を汚さないための言い伝えです。

(3)生きもの

言い伝え 内容
お日待ち
【県内全般】
 山の木を伐採するときはその林の中に入り、「鳥は飛べ、虫も飛べ、ひっこむものはひっこめ」と大声で叫びながら木の根元を叩いて歩きました。この日は木を切らず、次の日から切ったと言います。
 木材は生活の糧(かて)として利用しますが、そこに住む小動物への思いやりも忘れませんでした。

セキレイやツバメの巣をとると火事になる
【県内全般】
 セキレイやツバメなど、小鳥の巣を守るために言い伝えられました。
まわり川の制度
【会津(只見町石伏地区、只見町田子倉地区)】
 「まわり川」とは、日や年によって鱒を捕る場所を順番に変え、村共同で魚を捕り、獲物を平等に配分する制度です。村では鱒を捕る期間を定めて、捕りすぎを防ぎました。
 只見町石伏地区では、只見川支流の小戸沢川を3つの漁区に分け、地区の全戸を3つの組に分けて、マスを捕る場所を毎年変えました。マス捕りに行けない家庭では川岸の草刈りなどを行い、共同作業に加わりました。
 また、只見町田子倉地区では捕ったマスは村の観音堂の前で公平に分けられました。
サクラマス
サクラマス
提供:只見町教育委員会
ガニのドウバ
【浜通り(南相馬市)】
 ガニとはモクズガニ(川ガニ)のことです。捕りすぎを防ぐため、ガニを捕ることができる場所(ガニのドウバ)が決められていました。

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