福島県 木炭

木炭

<福島県の木炭生産>

 かつては燃料として使用されてきた木炭ですが、いわゆる燃料革命以後、急速にその地位を下げました。しかし、近年は燃料以外の新しい需要として、消臭用・水質浄化用・調湿用・鮮度保持用・土壌改良用等さまざまな用途で使用されるようになってきています。

 平成19年の木炭生産量(黒炭及び白炭)は、全国で16,578t(H18比97%)、そのうち本県は734tを生産しており、全国第4位の木炭生産県となっています。内訳は、黒炭708t、白炭26tとなっており、生産量の96%が黒炭となっています。

 本県における木炭生産のピークは昭和15年でした。軍需用の需要が高まった頃で、この時の生産量は173,150tでした。実に現在の230倍の木炭が焼かれていたわけです。その後、変動はあるものの昭和28年までは10万t台の生産量を維持しておりましたが、昭和29年に10万tを割ってからは、生産量は減少の一途をたどっていきました。燃料が木炭からガス・灯油に代わっていった時期です。そして昭和48年には、ついに1万tを割り、さらに平成15年には1,000tを割りましたが、ここ数年ほどは横ばいで推移しています。

 本県の木炭生産は、地域別に特徴がありました。良質なものは中通りの阿武隈山系に多かったようです。この地域では、薪炭林、特にクヌギ・コナラの純林が多かったため、良質のクヌギ・コナラ炭の生産が行われていました。石川・棚倉・都路などが有名製炭地でした。

 現在生産量が多いのは、小野町・鮫川村・田村市です。

炭焼き窯からの白炭取り出し作業

白炭の取り出し

<木炭とは?>

 一言で言うと「木材の蒸し焼き」が木炭です。ただ火をつけて焼いたものではありません。焼くだけだと、炭ではなく灰になってしまいます。そして「木材を蒸し焼き」にする工程を「炭化」と言います。

 炭化についてですが、木炭の原料である木材は、炭素・酸素・水素からできているということをまず頭にいれてください。

 さて、酸素のない、または少ないところで木材を加熱すると、280℃前後で組織の熱分解が始まります。組織の分解と同時に様々なガスが発生しますが、ガスがどんどん発生することにより、炭素が凝縮されていきます。

 そして、最終的に、木材と比較して、重さで1/4、大きさ(体積)で1/3の木炭ができあがります。

木炭の利用法

 燃料以外の新しい利用方法についてはさまざまありますが、最近注目されている利用方法とその理由について、主なものをまとめると、次のようになります。

 

用  途

使用される主な理由(効果)

備考

畜舎・室内などの消臭 においを吸着する  
河川や側溝の水質浄化 汚濁物質の吸着  
野菜・果物などの鮮度保持 熟成老化を促進するエチレンガスを吸着する  
住宅の床下に敷いて湿度調整 湿度を調整する  
土壌改良 団粒構造の形成を促進

微量成分(ミネラル)の供給

有用微生物の活動が活発になる

 

 

 「木炭には孔が開いている、そして多い」、このことが木炭の新たな利用を語る上でのキーワードとなります。

 まず、なぜ孔が多いかについて。木炭の組織は、原料である木材の組織に由来しますが、専門的にお話すると難しくなるので、単純化してお話しします。

 ここでは木炭の原料である木材の組織というものを、内部が水分などで満たされた細かいパイプがタテヨコにつながったものと考えてください。炭化という操作により、水分が蒸発しパイプの部分が残されます。そもそもパイプが縦横無尽に走っていて、かつその中身がなくなったことを想像していただくと、木炭というものの構造がイメージできるのではないでしょうか。また、このパイプは外にも通じていることがポイントです。

 パイプ内部の面積は、木炭1g当たり、小指の頭くらいの大きさで300m2あると言われています。およそたたみ200畳分ほどの内部表面積を持っているのです。ちなみに同じ炭素の固まりである石炭のそれは、1g当たり3〜30m2しかありません。気体・液体さまざまな物質がクッツクことのできる面積がこんなにある、そしてこのパイプは外部とつながっているのですから、炭はたいへんな吸着力をもっていることがわかるかと思います。

                      <木酢液・竹酢液とは?>

  最近では、木酢液や竹酢液の利用が盛んになっています。木酢液とは木材を、竹酢液とは竹材を炭化する際に発生する煙を冷やして生産されるものです。アルコール類、エステル類、酸類、フェノール類、アルデヒド類等を含み、PH3.0程度とかなり酸性が強くなっています。木酢液の特徴を活かして、殺菌剤、防かび剤、忌避剤等、さまざまな用途で利用されていますが、木酢液には有害成分が含まれていることがあるため、その使用方法、使用する木酢液・竹酢液の精製度には十分お気をつけてください。

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