福島県地産地消推進プログラム
平成14年6月10日
1 趣 旨
21世紀の新しい地域づくりの推進にあたっては、地域の資源や環境に改めて着目し、地域における人、もの、情報等の交流と経済の循環を活性化することにより、地域や県全体の魅力を高めていく取組みが重要である。
また、近年の食に対する安全意識等の高まりを背景に、地域における生産と消費の結びつき−顔の見える関係−の構築が注目される中、地域生産物を見直す動きも出てきている。
一方、我が国の経済社会が、大きな変革期にある中で、本県においても厳しい経済雇用情勢に対処するため、「緊急経済・雇用対策」さらには「財政構造改革」など、新たな時代に的確に対応するための様々な取組みを進めているところである。
このような状況を踏まえ、県民相互の連携と協力、いわゆる「結」の精神を基調として、特に「地産地消」(地元で生産されたものを地元で消費する)の考え方を、県政のあらゆる分野において積極的に展開することにより、農林水産業をはじめ県内産業の振興や地域資源を活用した地域の活性化を促進することとし、県が自ら率先して取り組むべき事項及び全県的な運動として展開するための基本的方向をこのプログラムにおいて明らかにする。
2 プログラムの期間
地産地消の推進は、長期的な観点から取り組むものであるが、このプログラムは、最近の厳しい経済雇用情勢に鑑み、平成14年度から概ね3年を重点取組期間とする。
3 プログラムの推進
副知事を議長とする「福島県地産地消推進会議」を中心に、全庁を挙げてプログラムを推進するものとする。
なお、このプログラムの推進にあたっては、県民や市町村、関係団体等の協力を得ながら官民一体となって取り組むとともに、各地方振興局においては「各地方地産地消推進会議」を中心に、地域特性を活かした取組みを推進するものとする。
またプログラムの実効性を確保するため、各部局及び各地方振興局の取組状況等を定期的に把握するなど、プログラムの進行管理を行うとともに、必要に応じて、見直しを行う。
4 地産地消実践プログラム
(1) 県が率先して取り組むための【県庁実践プログラム】
県政のあらゆる分野において、県が自ら率先して県産品の利用や県内企業の受注機会の確保について積極的に取組むことにより、地産地消の推進を広く県民にアピールする。
@ 物品調達等における県産品利用の推進
○ 県が行う物品調達等については、身近なところからの県産品の利用に努めるほか、県の主催する会議やイベント等においても県産品を積極的に利用するなど、県が自ら率先して、地産地消を目に見える形で実践する。
○ 県有施設等や県庁消費組合において可能な限り県産品の利用促進に努めるものとする。
A 公共施設等の県産材等利用の推進
○ 公共施設等の建設にあたっては、県産木材や県産石材等を積極的に活用し、県産材利用のアピールに努めるほか、県産資材の利用推進のため発注時の特記仕様書等の検討を行う。
○ 県有施設については、「県有施設の木造化、木質化の推進に関する指針(平成14年4月1日施行)」に基づき、環境コストの面からも県産木材の積極的な利用拡大を図るほか、公立学校等における備品等についても、県産材利用による木質化を検討する。
B 公共事業等における県内企業の受注機会の確保
○ 県が発注する公共事業等について、適切な発注規模の設定等により、県内企業の受注機会の確保に配慮するとともに、経常建設共同企業体制度及び特定建設工事共同企業体制度を活用することにより、全体の技術力の向上を図る。
○ 調査委託、設計委託等の契約においても、県内企業の受注機会の確保に配慮し、企業の育成に資する。
C 県民参加型市場公募債発行の検討
○ 県民参加による21世紀の「ふくしま」の創造をより推進するという観点から、県の財政状況に対する理解と積極的な県政への参加を図るため、県民生活に密接に関連する施設等の整備において、県民による県債引き受けを検討する。
(2) 地域産品の県民利用促進のための【地域産品利用支援プログラム】
地域に根ざした地場産品や本県の豊かな風土から生まれた県産農林水産物を改めて見直し、県民の積極的な利用促進を図るとともに、地域経済を支える農林水産業や地元商工業の活性化を支援する。
@ 県産農林水産物の消費拡大
○ 食品に対する安全・安心への関心の高まりを踏まえ、県産農林水産物に対する消費者の消費マインドを高めるため、生産者と消費者の交流などにより両者の相互理解を促すとともに、消費者の県産農林水産物への信頼を構築するため、適正な産地表示の促進やより一層の情報の提供に努める。
○ 県内市場における県産農林水産物の安定した質、量、価格の確保など、消費者が県内農林水産物を購入しやすい環境を整えるとともに、特別栽培等の生産拡大や直売所等の流通拠点の整備など、消費者の要請に応えた供給体制の整備を支援する。
○ 学校給食における県内農林水産物の消費拡大のため、生産者と学校関係者の連携の推進等により、安定した生産・供給体制の確立を図るとともに、食農教育や栄養指導等を通じた教育現場における地産地消の啓発に努める。
○ 食品産業等一次産品を活用した製造業における県産農林水産物の利用拡大を図るため、生産情報の提供や新たな県産原材料使用商品の開発等について、生産者団体と連携した取組みを推進する。
○ JA等関係団体と連携し、県内消費者に対する県産農林水産物の情報提供・発信を推進する。
○ 県産木材の利用に関する普及・啓発の取組みと供給体制の確立を支援する。
A 地場産品・地元工業製品等の利用推進
○ 地元経済を支える地場産品や地元製品等の積極的な利用を促進するため、生産・流通・消費の交流を促進し、県産品消費マインドの醸成を図るとともに、消費者ニーズの的確な把握による商品開発により、地場産品やサービス等の商品競争力の一層の向上を促進する。
○ 商工団体、及び観光関係団体との緊密な連携の下、地場産品の情報提供・発信を支援するとともに、地場産品フェアなどのイベント等を通じた地場産品の普及・啓発を行う。
○ 県内の公設試験研究機関と大学、県内企業との連携の強化など、新たな地域特産品の考案や全国的な競争力を持つ新技術・新商品の開発の一層の支援に努める。
(3) 地域の再発見・再活用のための【地域資源活用プログラム】
県内に存する観光資源や文化施設、公共交通機関等の利活用についても「地元のものを地元で活用する」という広い意味での地産地消としてとらえ、地域資源を再認識することにより、新たな地域づくりや交流の活性化につなげる。
@ 県内観光・レクリエーションの推奨
○ 地域に存する豊かで多様な観光資源等の発掘、育成、継承の取組みや各地域の特性を活かした企画を支援するとともに、県内向けの観光案内や商品造成、情報の提供等による県内各地域の地域間交流を促進する。
○ 地域資源を組み合わせた滞在型、体験型観光に対応する取組みなど、多様な観光需要を捉えたサービスの供給を支援する。
○ 本県の豊かな自然環境や歴史、文化等の県内観光資源を活用した教育旅行や各種イベント、会議等における利用など様々な機会を捉えた利活用を促進する。
A 県内文化施設や空港等を活用した交流の推進
○ 本県の特色ある交流拠点施設等を活かし、豊かな自然とのふれあいや体験学習等を通した生涯学習など地域相互の交流を推進する。
○ 県民空港としての福島空港利用拡大のための施策を実施するとともに、県内企業等への福島空港、港湾等の積極的利活用のために広くPRを行うなど、人やものなどの交流の活発化を図る。
○ 会津線や会津鬼怒川線、阿武隈急行線をはじめとした地域の公共交通機関の利活用促進のための取組みを支援し、地域の活性化を図る。
5 全県的な運動の推進
地産地消の効果的な推進を図っていくためには、地域通貨の取組みをはじめ、県民自らの主体的な活動が重要であるとともに、消費者・生産者・関係団体を含めた県民各層の連携と協力が必要であることから、その主体的な取組みのもと、全県的な幅広い運動として進めていくこととする。
(1) 全県的な運動のための普及・啓発
○ 地産地消推進プログラムに基づく運動について、県民や市町村、関係団体等に広く周知し、県民参加による官民一体となった地産地消の効果的な推進を図っていく。
○ 地産地消についての総合的な情報提供・発信を推進し、県民各層の共通理解の醸成と、全県的な普及・啓発に努めるとともに、地産地消についての県民の主体的な活動を促すものとする。
(2) 地域特性を活かした地域主体の取組の推進
○ 地域における地産地消を推進するため、各地方振興局は、管内市町村と連携・協力のもと、地産地消の普及啓発やPR等の働きかけを行い、関係団体、生産者、消費者等も含めた地域レベルの推進体制を構築する。
○ 各地方振興局管内毎に地域の特色を生かした地産地消の啓発のための運動を展開することにより、県民の地産地消への積極的な参加を促す。
○ 地域の産業や地域資源等に対する県民の理解の促進のため、地域における地産地消に関する情報の収集・提供を行う。