筆文字工房 へつり庵/下郷町


“へつり庵”の様子と白石さんのインタビューは、こちらの動画で!!



大内宿
  
   
「爽やかさ」、「力強さ」、「優しさ」、「やさしさ」・・・
今回、書家の白石光史(しらいしこうし)さんを訪れ、
“書”としっかりと対面し、
今まで何気なく使っていた形容詞を
あらためて身体で感じることができました。


江戸時代の宿場の町並みがそのまま残っている“大内宿”で有名な南会津郡下郷町
白石さんが住む下郷町は、県内屈指の観光地の一つ。

白石さんの自宅は、自然が作り出した天然の彫刻“塔のへつり”と
大川清流の音に包まれた湯の上温泉郷を結ぶ、
裏通りに位置します。

風情ある温泉宿と農村の風景を楽しみながら車を進めると、
パリッとした白壁の蔵に、
筆文字工房「へつり庵」と書かれた大きな幕が、
ドンと目に飛び込みます。
ここが白石さんの工房「筆文字工房 へつり庵」。
蔵と書の存在感に、しばし呆然。
「書」初体験の緊張感が高まっていきます。

でも、「お気軽にお入りください・・・お茶・コーヒー無料です」
という洒落た看板を入口に発見。
少し、気持ちが安らいで蔵の玄関をくぐると、
予想していなかった風景に少しびっくり。
当然、いくつもの「書」があるものと思っていましたが、
2m以上の大作が奥に数点あるのみで、
あとは、民具やセンスのいいアクセサリーが陳列されています。
よく周りを見渡すと、Tシャツや扇子も。
狐につつまれた気分の中、白石さんにお話を伺いしました。

◆いきなり失礼ですが、どうしてTシャツがあるんですか?

ここを訪れたお客様が好きな文字を、
Tシャツや扇子に書いて販売している。

また、近くの学校の先生方が運動会の時着た
お揃いのTシャツにも私が字を書きました。

◆一般的な書家のイメージとは少し違うような・・・

父親の勧めもあって、小1の時から書をはじめた。
最初は、嫌で嫌でしょうがなかったが、
色々な賞をとるうちに面白くて止められなくなった。
小3のとき、上野の都立美術館で、
松本芳翠先生がご自分の墨と硯を貸してくれた。
何とも言えないやわらかいタッチで、
その時の感触は今でも覚えている。

24才の時、茨城県の浅香鉄心先生の門下生となった。
先生には本当によくしかられたが、
それだけ、目をかけてくれたからであり、
先生には大変感謝している。

その後、読売書法展読売新聞社賞などを受賞し、
書家としての実績を残すことができた。

しかし、ある日、フッと切れるものがあった。
書家にしかわからない作品を書くより、
一般の人々が興味を覚える作品を書くことが
大切なのではと思った。

書の専門家は、
作品の良し悪しを“骨格”や“深み”に求めるが、
一般の方は、
洒落ている・おもしろい・やさしい・癒される、といったものを求める。
私にとって、一般の方が最高の審査員。

そして、一人でも多くの方に書に親しんでもらうことを考えて、
Tシャツや扇子に文字を書いている。

◆なるほど、今の白石さんにとって、ズバリ、“書”とは?

全ての漢字には意味がある。
その文字を現代風にアレンジし、
情景・なごみ・やわらかさ・やさしさ・格調・清清しさ、を
線と造形からかもし出すのが書。
書き手の意図を、見てくれる人が感じてくれるような作品を作りたい。

5月の末に工房を開いた。書は特別なものではない。
ふらっ、と寄って、書いているところを見てほしい。
作品を見てくれて、
ちょっとなごんでくれればそれでいい。

◆工房内に、白石さん以外の作家の方の作品もありますが?

アーティストが食べていくのは大変。
私の夢は、
陶芸や漆芸など様々なアーティストによるグループを作り、
お互い支え合いながら創作に励む仕組みを作ること。
この工房も、若手のアーティストの作品発表の場とした。

◆最後に、白石さんにとっての会津とは

会津で育ったので、特にこうだ、というのはないが、
目に見えない風のさわやかさ、空気が好き。
そういえば、浅香鉄心先生からは、
「器用ですっきりした線でなく、会津人らしい線を書け」とよく言われた。
あったかくて、素朴で、人情深い線を書いていきたい。



伺った記念に、と思い、
名前の一文字が入ったTシャツ・扇子を作っていただきましたが、
帰宅途中のバスの中でついつい拡げて見とれてしまいました。
じっと見つめると、なんだかワクワクした気分になります。
白石マジックにはまってしまったのですね、きっと。

工房へつり庵地図

塔のへつり

筆文字工房 へつり庵(蔵は築200年)

入口の看板(コーヒー無料)

工房内

白石光史さん

白石さんの作品

若手芸術家の作品も展示

古い民具も展示してます

若い女性にも人気

 


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