微細彫刻/柳津町


微細彫刻士 金坂さんの制作の様子とインタビューは、こちらの動画でどうぞ



福満虚空蔵尊
  
   
柳津町(やないづ)は、磐越自動車道会津坂下インターから
南へ15分ほど車を走らせるところにあります。

柳津町のシンボルは、
柳津町大同年間(元年806年)、
法相宗徳一大師によって開創されたと伝えられる福満虚空蔵尊。

また、正月七日の夜に行われる奇祭、七日堂裸まいりは、
街中こうこうと燃えるかがり火の中、
雪の中、下帯一つの男たちが菊光堂の大鰐口を目指すことで有名。

今回訪れた、微細彫刻師、
金坂富山(かねさかふざん)さんの工房は、
福満虚空蔵尊に通じる通りに建っています。

国内でも大変珍しい微細彫刻は、
およそ400年ほど前からこの地で受継がれ、
現在、その技術を継承しているのは、
金坂さんただ一人。

3年間陰干しした、真弓・つげ・白檀(びゃくだん)などに
2mmから3.5cmの
八体佛守本尊、福神、その他あらゆる仏像を彫り、
銀杏の殻などをお堂に彫り上げ、
その中に仏像を納めます。

工房内は、虚空蔵尊を訪れた観光客が
気軽に立ち寄れる作りとなっています。
少しの迷いもなく、
仏像を淡々と彫っていく金坂さんの姿を
通りから簡単に見ることができます。

窓越しに観光客と気軽に言葉を交わす金坂さん。
微細彫刻師としての威厳を全身に感じる金坂さんですが、
一度、会話をするとそのやさいしい語り口と
微細彫刻の仏様のような優しい瞳が印象的です。

微細彫刻師としての32年を振り返って、
色々とお話を伺いました。

◆微細彫刻をはじめた経緯は?

東京でデザイン会社に勤務していた24才の時、
微細彫刻師であった父(金坂富仙氏)から誘われた。
とにかく彫刻一筋の父。
遊びというものは全くやらず、
朝から晩まで彫刻に打ち込んでいた。
初めてから3年間、父のもとで修行を積んだが、
自分のことを暖かい目で見てくれていた。
作品の出来を聞いても、
いつも「いいんじゃないか」と言ってくれた父が思い浮かぶ。
(金坂富仙氏は、97才で亡くなった。)

3年間の修行の後、作品を販売したが、
30才の時、高島屋に出展、
彫刻師として作品が世に認められ大変嬉しかった。

◆大変繊細な作業ですね

大変な集中力を要すため、1日6時間が限度。
前日の夜、どのような作品を作るか、
頭の中で構想を練り、
翌日朝から取りかかる。

特に顔を彫るときは、緊張する。
リラックスして気持ちを落ち着かせ、
顔のイメージが鮮明になってから掘りはじめる。

出来上がった作品がお客様の手に渡ったとき、
お客様の喜ぶ表情が何よりも創作へのパワーとなる。
ふらっ、と工房に立ち寄った観光客が、作品を見たときも同じ。
気軽に工房を訪れて、作品に触れてほしい。

◆後継者は?

26才の長男が、
ゲームキャラクターデザインの仕事に就いている。
仏像をキャラクター化した作品もあり、
私の仕事が少なからず影響しているよう。
強要はしないが、
何れ興味が出たらやってみてほしい。

◆これからの抱負は?

とにかく、お客様に喜んでもらえる作品を作りたい。
小さな仏像1体1体で、
より多くの安らぎを感じてくれれば。
また、余裕があれば、自分が作りたい作品を制作し、
微細彫刻館のようなものをつくりたい。

あと、彫刻とは関係ないが、
30年間マラソンを続けている。
100キロレースなどにも出場しており、
練習で1日12キロは必ず走る。
もちろん、吹雪のときも。
吹雪のときは、ヒゲがつららのようになるが、
これがまたおもしろい。
体力が続く限りマラソンを続けていきたい。



七日堂裸まいりの舞台

工房

工房内に陳列されている作品

作品手前が稲穂です

拡大しました

制作中の金坂さん

緊張感が漂います

観光客との触れ合い


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